■松平氏の菩提寺「高月院」

松平氏の菩提寺、高月院
家康公が植えたと言われている枝垂れ桜

 そして、松平氏の菩提寺である「高月院」に着いた。ここには松平氏初代親氏、二代泰親、四代親忠夫人の墓がある。

 司馬遼太郎はエッセイ「歴史を紀行する」の中で、「山寺というものの美しさをこれほどさりげなく湛えている寺もめずらしいのではないか」と記している。ここの枝垂れ桜は、徳川家康御手植えと言われている。 

■松平氏初代「松平親氏」公銅像

松平家初代、松平親氏公の銅像

 高月院に隣接する「松平園地」へ。ここには初代「松平親氏」公の銅像が立っている。もともとは諸国を旅して歩く時宗の僧「遊行僧(ゆぎょうそう)」で、「徳阿弥」(とくあみ)と称していたという。この地を訪れた時に、領主の娘である「水女」と結ばれ、入婿となり還俗して「松平親氏」を名乗ったという。

 「徳阿弥」が「松平郷」に流れ着き、領主の娘と恋に落ち「松平親氏」を名乗り、その子孫がこの山中から家臣を増やしつつ何代もかけて平野に進出した。そして、家康が艱難辛苦の末に天下を平定した壮大な物語が頭の中を通り過ぎた。

 知識だけなら書物やネットを探せば得られるが、歴史の現場に足を運ぶことで感じられることもある。「忘れられた徳川家のふるさと」であるこの地を訪れたら、来年の大河ドラマは一層味わい深いものになるに違いない。

・松平郷
住所: 愛知県豊田市松平町赤原
電話番号:080-5166-1629(松平郷ふるさとづくり委員会事務局)

URL:http://www.matsudairagou.jp/

■【MAP】松平郷周辺