■吾妻連峰最高峰の西吾妻山で樹林帯と高層湿原の紅葉を満喫
●展望地が豊富な西吾妻山へのルート
冬はパウダースノーの宝庫として知られる山形県、米沢エリアにある天元台は、夏から秋にかけて日本百名山のひとつに数えられる西吾妻山(標高2,035m)への入山口として賑わう。ロープウェイとリフトを乗り継いだ先の標高1,820mに登山口があり、ピークまでの高低差が少なく最短ルートで山頂を目指せる。
登りはじめはしばらく森の中を進むが、稜線まで出ると視界が開け、秋色に染まった開放的な景色を楽しめる。登山路で見られる紅葉は、赤や黄に染まるモミジやカエデ、ウルシ、ウツギなど。これにツガや松などの針葉樹の緑が入り乱れ、鮮やかな景観が登山者の目を和ませてくれる。
山頂は木に囲まれて展望はないが、ルート上にはビューポイントが多く、かもしか展望台からは米沢盆地のほか、天候がよければ飯豊連峰や朝日連峰、月山までの眺望を楽しめる。また、秋は山頂付近の高層湿原に草紅葉が広がっている。湿原には池塘(ちとう)が点在し、爽やかな秋空を水面に映す。梵天岩まで登ると湿原を広く見渡せ、その壮大さは感動モノだ。樹林帯や稜線、湿原など、歩きながら変化に富んだ秋の風景と出会えるため、カメラを持って出かけるのにぴったりだ。
●SPOT.1 草紅葉と紅葉に囲まれた大凹(おおくぼ)
大凹はその名の通り窪地になった場所。冬に積もった雪が遅くまで残り、湿地帯に木道が敷かれている。窪地に下りる手前から湿地帯を見渡せるので、そこがおすすめのフォトスポット。傾斜に生えた低木の紅葉と木道の草紅葉をワンフレームに収められる。
●SPOT.2 山の神の祠や岩の海原と西吾妻山が撮れる天狗岩
ピークに向かうときと、山頂から西吾妻小屋を経由して下山するときに通る天狗岩には、山の神を祀る吾妻神社の祠がある。広いスペースにむきだしの大岩がゴロゴロと転がった岩の海原のような場所で、紅葉した西吾妻山を間近から撮影できる絶好のポイントだ。