■2日目:淀川小屋〜黒味岳〜宮之浦岳〜高塚小屋

 2日目は総距離12km、行動時間11時間の大移動。日本最南端の高層湿原である花之江河(はなのえごう)を通過し、黒味岳へ。この日は、あいにくの天気で美しい景色は霧の中。一瞬だけ霧が晴れ、ひらけた景色や高度感が楽しめた。出発から5時間半で、標高1,936mの宮之浦岳に到着。

 その後は、迫力のある杉の木や、700種類生息しているといわれる苔を楽しみながら、15時半ごろに高塚小屋に到着。夜は、持参した缶ビールとおつまみで疲れを癒した。

日本最南端にある高層湿原・屋久島の花之江河(撮影:おかだあきほ
静かな登山道。ヤクシマヒメネズミにも出会えた(撮影:おかだあきほ
黒味岳の山頂付近からの眺望(撮影:おかだあきほ

■3日目:高塚小屋〜縄文杉〜ウィルソン株〜白谷雲水峡

 縄文杉やハート型のウィルソン株、白谷雲水峡など見どころいっぱいの最終日。

 朝、ついに縄文杉と対峙。縄文杉の樹齢は2170〜7200年といわれており、どっしりとたたずむ姿は「山の主」のような風格があり、しばらく見入ってしまった。

 朝から快晴で気持ちのよい森歩き。縄文杉から先では、反対方向から入山した多くの観光客とすれ違った。登山道は狭く、譲り合いながら慎重に進んでいく。

 『もののけ姫』の舞台といわれる白谷雲水峡は、苔むす岩が特徴的で、水が流れる音が心地よい神秘的な雰囲気。木漏れ日が差し込む美しい景色に、息を呑んだ。

 縦走の最後はトロッコ道。無事に下山できた達成感に浸りながら、真っ直ぐに延びた道を歩く。途中、ヤクシカやヤクシマザルに出会うこともできた。

縄文杉は迫力があり、厳かな雰囲気(撮影:おかだあきほ
『もののけ姫』の舞台にもなった、白谷雲水峡の苔むす岩(撮影:おかだあきほ
屋久島のトロッコ道(撮影:おかだあきほ