●絶景ポイント:槍ヶ岳山荘から穂先を眺める

 山頂へ登れば周囲に遮るものがないパノラマの世界で北アルプスのほとんどが見渡せるうえに富士山までもが見通せる。しかし、槍ヶ岳に来たらその槍の穂先を目の前で眺めるのも一興だ。槍ヶ岳山荘のベンチからコーヒーをすすりながら夏の空に聳える槍ヶ岳を間近で見たい。殺生ヒュッテや東鎌尾根から登ってくるハイカーの眺めもいい。憧れの地にたどり着いた人々の歓喜の声が混じりあうと感慨深いものがある。

憧れの山を目の前に優雅な時間を過ごせる槍ヶ岳山荘

●【CHECK!】宿泊先の選択肢は2つ

 槍ヶ岳の行程は1泊2日、もしくは2泊3日と宿泊をする必要がある。小屋泊ならシュラフと着替えを、テント泊ならさらにテントを担いで上がらなければならない。ルート上で宿泊できる場所は槍平小屋か槍ヶ岳山荘になる。槍平小屋泊なら、翌日は早く出発して挑みたい。槍ヶ岳山荘は一日目の行程が長く、翌日にゆっくりと槍の穂先へアタックできる。どちらにせよ、アプローチが長いので自身の体力と相談して登りたい。どちらの小屋もウェブ予約は必須となっている。

山小屋の選択肢は2つ。ウェブ予約が必要なので事前にチェックしたい

●おすすめ山行プラン

 槍ヶ岳へはアプローチが長い。前半の長く、緩い上り坂は急ぐことなく、ゆっくりと登りたい。はじめは森林の中をひたすら歩き続けることになるので、水の配分に気を付けよう。このコースは静かな森歩きと槍ヶ岳直下の岩場の両方が楽しめるのも魅力の一つだ。槍平小屋までにある3つの河原を渡るのと槍の穂先へのアタック以外、特に難しい場所はない。

 槍ヶ岳山荘から山頂まではわずか数百mしかないが、ハイシーズンに渋滞すれば登頂までに2時間以上要することもある。時期によっては混雑を加味してプランニングしないと、帰路の予定が狂ってしまうので気を付けよう。

●MAP

●山行ナビ

登山口:新穂高温泉
歩行時間:17時間
高低差:2,100m
標準日程:1泊2日
距離:26.6km

●アクセス

 新穂高温泉へは車の場合、関東からは長野道松本I.Cで降りて90分。中部・関西からは東海北陸道高山I.Cを降りて70分

 

【soto 夏山 2021 より再編集】

※新型コロナウイルス感染症などによる山小屋の営業および登山ルートの状況は、最新のものを確認してください。