■ハイライトは本殿のさらに上にあり……
10分ほどで石段を登り切ると、本殿に辿り着きます。
神社の由来の解説は、詳しい本やサイトがいくつもあるのでそちらに譲りますが、名前から紀伊の熊野三山の大神様と関連がある神社であることがわかりますね。恋愛成就や商売繁盛にご利益があると言われています。
この本殿の脇から、さらに上へと続く道があります。この道は、もう1つの見どころ「穿戸岩(うげといわ)」へと続いています。
じつは、この岩こそが、本命のパワースポットと言っても過言ではありません。ここまできたら、もうひと登り。ぜひ足を延ばしてみましょう。濡れた道路は滑りやすいので、必ず歩きやすい靴を選び、足元には十分ご注意を。
5分ほど登ると、巨大な岩壁に大きな穴が開いているのが見えてきます。これが「穿戸」です。大明神に怒られた従者・鬼八法師が外輪山を超えて逃げようとした時に、道を塞いでいたこの岩壁を蹴破って穴が空いたと言い伝えられています。
地元では、4〜5世紀頃から信仰の対象として崇められてきた場所なのだそうです。蒸し暑い雨の日でも不思議と穴の周辺だけ空気がひんやりとしていて、「気」が満ちた特別な場所であることが肌で感じられます。
どうやってこんなに巨大な岩に穴が開いたのか不思議ですが、「どんな困難なことでも貫き通せる象徴」として合格や必勝にご利益があるそうです。
意志の弱い、そこのあなた! 一緒にあやかりましょう。
ちなみに、この大穴を開けた鬼八にまつわる伝説は阿蘇地方では数多く語り継がれており、お隣の高千穂にも話が残されています。
雨の日は遠い昔の神話に思いを巡らせながら、その足跡を辿ってみる。たまには、そんなのんびりとした旅も一興ではないでしょうか。