■イワナも釣れた！ あとはヤマメさえ釣れてくれたら……
調子よく釣れていると欲が出てくる……。ないものねだりで、ニジマス以外、つまりヤマメかイワナを釣りたい！ などと思っていると、20cmちょっとで大きくはないが、イワナも登場してくれた！ いよいよ出来すぎている。
岸壁が狭まった流れの脇、巻き返しがちょっとした淵になっているポイントがあった。なんだか気になって草の陰からそっと覗いてみると…… なんと、ヤマメがのんびりとライズしているではないか！ 艶やかな魚体が妙に魅力的だ。
しばらく観察してから、はやる気持ちを抑えつつそっとフライを流していく。緩やか流れは想像以上に複雑で、あとちょっとでフライを咥えそうなところで、僅かにドラグ（流れに反した不自然な挙動）がかかってしまった。
流れの緩いところに浮かぶヤマメは神経質なことが多い。敏感に見抜いて、そっぽを向いて、そのまま沈んでいった……。
■最後のひと勝負！ 釣れたのはまさかの……
夕方には最後のひと勝負。良型のヤマメかイワナを釣りたくて、過去の実績ポイントへ。沈めたフライを泳がせていると、ひったくるようなアタリがある割になかなかハリにかからない。それでもフライを（小さく）変えたり、さらに沈ませてからゆっくりと泳がせると、ついにかかった！ 走りもするどく期待が高まる！ 手元に寄せると銀色に鈍く輝く…… ウグイさんだった。
トラウト目当ての渓流釣りでは、コイ科のウグイは外道（げどう）の代表格だ。けれどネットに収まるその姿は、なかなかどうして麗しい。サイズの割に“引き”も悪くなかった。ドキドキさせられた。ありがたく感謝しつつ、そっと流れに返した。
