登山者数が世界一ともいわれる高尾山。公共交通機関で都心から約1時間とアクセスもよく、ビギナー登山者から上級者のトレーニングまで、幅広く親しまれている山だ。

 しかし、手軽に出かけられる高尾山でも遭難者からの救助要請が多発しており、登山時には登山計画書を作成するようアナウンスされていることをご存知だろうか。

 そこで今回は、ゴールデンウィークの高尾山登山に向け、登山計画書の作成方法を紹介する。

高尾山薬王院の天狗様(写真:佐藤麦)

■そもそも登山計画書とは?

 登山計画書は、登山時の遭難や事故に備えて登山前に作成する書類で、万が一の際にはこの計画書をもとに捜索が行われる。山域によっては、登山計画書や山岳保険への加入が自治体の条例によって義務付けられていることも。フォーマットに制約はないが、以下のような項目を入れることが一般的。

・登山山域
・登山日や行動予定
・登山者・同行者の氏名、連絡先
・緊急時の連絡先
・装備、食料の量
・緊急時の対応(エスケープルートなど)

 提出先はその山域を管理する警察署。警察署のホームページなどからもフォーマットがダウンロードできる。登山口に設置されている提出ポストのほか、郵送、ファックス、電子申請といった方法がある。また、実際の捜索は、帰宅しないことを心配した家族や知人からの通報で開始されることが多い。家族や職場といった身近な人に登山計画を共有し、作成した登山計画書のコピーを渡しておこう。下山したら、その旨の連絡も忘れずに。