■臭い消しのプロ・タイ人に聞いた調理法

タイでは皮も美味しく食べるらしいが、今回は全て取り除く(写真:outdoor_hikky)

 最後はタイ人から教わった臭みが気になる魚を食べるときに使う調理法を試してみる。タイにはナマズを日常的に食べる文化がある。しかも、泥抜きをしないで食べるそうだ。魚の泥臭さを抜く泥抜きというひと手間は、美味しく食べるうえで非常に重要になってくる。

 タイ人がナマズの泥臭さに慣れているということもあるだろうが、最大の理由は臭みを誤魔化す方法を熟知しているからだ。そのため、知り合いのタイ人にナマズの調理方法を聞いて試してみる。

 補足だが、養殖のナマズとは違いアメリカナマズは泥抜きができない。これは、特定外来生物のため、生きたままの移動が禁止されているからだ。これは専門店でも同じである。そのため、アメリカナマズは泥抜きしなくても美味しいのかもしれない。

 しかし、筆者が釣ってきたアメリカナマズは少し臭いが気になる。そのため、タイ人の知恵を借りてなんとか美味しく食べたいと思う。

臭いが気になるアメリカナマズを細かく刻んで米のとぎ汁に入れる(写真:outdoor_hikky)

 タイでは魚の臭みを消すため、切り身を小さく刻んで米のとぎ汁の中に2時間ほど漬けるのだという。牛乳や清酒に漬けるのは聞いたことがあったが、米のとぎ汁は初耳だった。小さく刻む理由は、魚の奥までとぎ汁を浸透させるための工夫だそうだ。

知り合いのタイ人がくれたパクチーとレモングラスを入れてトムヤムクンにする(写真:outdoor_hikky)

 時間が経てば、切り身を取り出してパクチー、レモングラスとともにトムヤムクンにするという、わりとシンプルなものだった。

 しかし、パクチーとレモングラスは臭みを誤魔化すためにかなり多めに入れる。実際食べてみると臭みはまったく感じず、非常に美味しく完食することができた。トムヤムクンを食べたことがないので、あまり詳しいことを言えないが、臭みが気になる場合には有効な調理方法だと思う。

■アメリカナマズは調理方法次第で美味しい魚

 今回は3種の調理方法で食したが、これ以外にもいろいろ試す価値のある魚だと思う。『ザ!鉄腕!DASH‼︎』』ではラーメンも紹介されていたそうだ。これだけ簡単に釣れる魚なので、ぜひ釣って食べてみて欲しい。

 アメリカナマズは特定外来生物なので、生態系に影響を及ぼす魚である。だからと言って、リリースせず地面に捨てて帰るような命を無駄にする行為は許されるべきではない。少しでも減らそうと思う気持ちがあるならば、食べるという選択肢も検討してみて欲しい。

写真クレジット:outdoor_hikky