アジやサバを狙う最もベーシックな釣り方である「サビキ釣り」。アミコマセなどの撒き餌で魚を寄せ付ける釣りだ。針にはエサをつけない。なぜなら、サビキ仕掛けの針には撒き餌をイメージさせる工夫が凝らしてあるからだ。
針にエサをつけないサビキ釣りも手軽だが、さらに手軽に楽しめる「エサ(撒き餌)を使わないサビキ釣り」も存在する。それがジグサビキだ。サビキ仕掛けと同じ構造ながら、針やスキン・皮などの装飾が派手で、全体的に大きめなのが特徴。仕掛けの先端に接続したメタルジグと仕掛けのキラキラした光で魚を寄せ付ける。
ただ投げて巻くだけ、通称ただ巻きや堤防の壁際に仕掛けを落として竿を上下するだけでも釣ることができるため、初心者にも人気のある釣りだ。
■ジグサビキは夜も釣れる?
ジグサビキでメインに狙う魚はサビキ釣りと同様、アジやサバなどの小型回遊魚だ。アジやサバは日中に活動する。また、ジグサビキは光で魚を寄せ付けるため、日が昇っている時間帯の方が釣れる条件が揃う。
しかし、ジグサビキは夜でも釣れるという情報を耳にした。実際、アジやサバは夜でも釣ることができる。筆者も夜に何度も釣っている。ただ、そのときはアミコマセやオキアミを使用したサビキ釣りやカゴ釣りだった。エサを使用せず光で魚を寄せるジグサビキは、本当に夜でも効果を発揮するのだろうか。その効果を確認するため、夜の海にジグサビキを投げ入れてみた。
■夜の海にジグサビキを投げ入れてみた
時間は夜9時を回ったあたり。堤防に釣り人は誰もいなかった。まだまだ寒い3月に夜釣りを楽しむ人は少ないのだろう。
竿にジグサビキをセットし、海に投げ入れる。今回使用したジグサビキは全長1mで針が3本、先端に28gのメタルジグを接続したもの。
キャスト後、メタルジグが海底についてからゆっくりとリールを巻く。ただ仕掛けを回収するだけの「ただ巻き」と呼ばれている釣り方だ。仕掛けがかなり手前まで来たあたりで魚がヒットした。かなり水深の浅い場所で針にかかったのか、すぐに海面がパシャパシャと音を立てている。急いでリールを巻く。
釣れたのは35cm程度のサバだった。まさか1投目からジグサビキの効果を証明してしまうとは思わなかった。正直あまり期待していなかったため、心の準備が出来ておらずかなり驚いた。
サバはしっかりとジグサビキの針にかかっている。夜でもこの煌めきが見えるということなのだろう。もしかすると、サバの群れが堤防の近くに来ているのかもしれない。1匹だけでは満足せず、再度ジグサビキを夜の海に投げ入れる。