【画像15枚】春の山を彩る草花&オレンジ色の魚体が美しいイワナ

 東京都心は、30℃近い初夏の陽気になった4月末。南アルプスの麓、釜無川水系の沢へと足を運んだ。

 中央高速から見上げる主稜線は、まだ真っ白な雪に埋まっている。しかし、沢に踏み入ると、そこかしこに春の気配が感じられた。

■1,200m前後まで芽吹き始めている

GWの連休には、もっと季節が進んでいるはず

 木々の枝先には小さな新芽がびっしり。南アルプス北部エリアの新緑は、4月末現在で1,000〜1,200mほどまで駆け上がってきている。

 山肌はこんもりと盛り上がり、新緑の淡い黄緑色と山桜やツツジの薄いピンクが織りなす、柔らかな絨毯のようだ。

寒々しかった森が色づき始めてきた

■足元にも、そこかしこに草花が

沢沿いは花の宝庫
【画像15枚】春の山を彩る草花&オレンジ色の魚体が美しいイワナ

 スタスタ通り過ぎてしまうと気がつかないが、沢沿いの足元に目を移すと、春の訪れを告げるようにたくさんの草花が芽吹き始めている。

 特に沢沿いや雪渓が溶け残る周りは植物の宝庫。ゆっくりとミクロの世界を観察してみるのも、この時期ならではの山の楽しみ方だろう。この日は、開花したばかりのネコノメソウやカタクリの群生が見られた。

開花したばかりのカタクリ

■肝心の川の中、イワナのご機嫌も伺ってみよう……

ドライへの反応も良好

 のんびりと沢沿いを散策するうちに、水面に陽が射し込めた。水温が上がり始めると、しきりに虫たちが飛び始めたので、ゆるりと釣竿を用意する。

 流した毛鉤に飛び出たのは、黄色味がかった体色、橙色の斑点を持つ美しいイワナ。その後も釣り上がると、岩魚たちがポツポツと顔を出してくれて楽しませてもらった。

 すれ違った釣り師によると、前日に林道沿いで熊を目撃したとのこと。月末を機にゲートがオープンとなる林道も多い。熊や落石など、危険には気をつけつつ、短い春を楽しんでいただきたい。

画像15枚】春の山を彩る草花&オレンジ色の魚体が美しいイワナ