■白糸の滝とお鬢水

 陣場の滝より南に位置する「白糸の滝(しらいとのたき)」は、陣場の滝と同じく富士山の伏流水が流れている。この滝は富士山の伏流水が日本で一番流れている場所だ。幅150m以上、落差約20mのこの滝は、幾筋もの白い糸を垂らしたように流れ落ちている、富士宮市を代表する観光スポットである。

富士山の伏流水が日本で一番流れる白糸の滝

 頼朝公は富士の巻狩の際に滝の美しさに魅了され、「この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝(糸玉から流れ落ちる糸のような滝の上で、どんな姫が糸を紡いでいるのだろう)」という和歌を読んだそう。巻狩りの際、頼朝公が思わず歌を読んでしまうほど美しい白糸の滝を眺め、ロマンを感じるのもいいかもしれない。

 白糸の滝の遊歩道を進み、滝の崖上に行くと、富士山の湧水が池になった「お鬢水(おびんみず)」がある。ここは巻狩の際、頼朝公が鬢のほつれを直したと伝えられており、その水は白糸の滝の一部となって流れ落ちている。透明度が高く、荘厳な空気を漂わせるお鬢水。

 平安時代から鎌倉時代にかけて成人男性は、「烏帽子(えぼし)」と呼ばれる帽子を被るのが礼儀であり、この烏帽子を固定するために鬢を整えるのは身だしなみの基本だったそう。鎌倉幕府のトップである頼朝公が巻狩りの最中にもしっかり鬢を整えたことを想像すると、なんとも微笑ましい気持ちになる。

荘厳な空気に包まれているお鬢水

白糸の滝へのアクセス
・白糸の滝駐車場:東名高速道路・富士ICから約40分。乗用車は105台駐車可能で料金は1日500円、バイクは10台駐車可能で料金は1日200円。観光案内所とトイレが有り、駐車場から滝壺まで遊歩道で450m。 
・公共交通機関:JR身延線・富士宮駅から「白糸の滝行き」バスで約30分の「白糸の滝」で下車

・富士宮市WEBサイト:白糸の滝 http://www.city.fujinomiya.lg.jp/kankou/llti2b00000018ez.html