現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。いわゆる「源平合戦」で知られる治承・寿永の乱や武将たちの主導権争いなどを三谷幸喜の脚本で描いている。
主人公の伊豆の若武者・北条義時を小栗旬、のちの鎌倉幕府初代将軍・源頼朝を大泉洋がそれぞれ演じている。平清盛(演・松平健)や後白河法皇(演・西田敏行)、さらに源義経(演・菅田将暉)が加わり、徐々に「役者」がそろいつつある。
ドラマで描かれる源平合戦の舞台の一つなのが香川県・屋島。「日本のテーブルマウンテン」「讃岐のダイヤモンドヘッド」と形容される独特の山容は、地元のシンボル的存在となっている。
実は山口県下関市にあるはずの「だんのうら」という地名があったり、山の頂上の水族館、タヌキ伝説の寺などの観光地と、とても興味深いエリア。今回は、屋島の地形と地名の不思議を説明しながら、近隣のスポットを紹介する。
■屋根のような島だから「屋島」
屋島は、山頂が平らな独特の形をしているのが特徴。元々は本土と海で隔てられていた島で、屋根のように見えることから「屋島」と名が付いた。
長年の浸食作用で硬い地層だけが残り、周囲が急な崖となった「メサ」と呼ばれる地形の典型例と言われている。
屋島の合戦といえば、那須与一が揺れる船上の扇を射落とすという難題をなしとげた故事「扇の的」が有名。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇中に出てくる「ヤシマ作戦」のモチーフにもなるなど、広く知られている。