富士五湖エリアの西湖と河口湖に挟まれた立地にある「毛無山」は、往復2時間半程度と短いコースながら、山頂から富士山と2つの湖の「大パノラマ」が広がる。あまり広く知られていないので、富士山の絶景登山スポットにしては登山者が少ない穴場的存在だ。

 また、その隣の「十二ヶ岳」まで12のピークを越えて歩く岩尾根の縦走コースは、富士山と湖の景色を横目に、鎖場・ロープ・岩場が連続、さらにはキレット(深く切れ落ちた尾根)に架かる吊り橋を渡るスリル満点のアスレチックコースである。

 登山初心者におすすめの「毛無山」と、経験者も存分に楽しめる「十二ヶ岳」登山コースをレポートする。ぜひ天気の良い日に歩いてみてほしい。

■初心者におすすめ!  大展望を望む「毛無山」へ

毛無山山頂より左が河口湖・右が西湖

●富士五湖エリアの絶景展望地

 富士五湖とは、富士山の山梨県側にある5つの湖の総称。キャンプや釣りなど、さまざまなアクティビティや観光スポットとして多くの人が訪れる場所だ。

 そんな富士五湖エリアで、富士山と湖が織りなす景色を楽しむには、高いところに登るのが一番である。毛無山は、西湖の北側に位置する登山口から山頂(1500m)まで約1時間30分で登れて、自力で歩いた人だけが観ることができる「絶景展望スポット」として一押しなのだ。

 ※富士山周辺(山梨県南巨摩郡身延町と静岡県富士宮市の県境)にもう一つ「毛無山(標高:1,964m)」があり、そちらの方が「日本二百名山」の一つで有名。混同しやすいので間違えないように注意。