■雨水頼み? 滞在中の水事情

塗装beforeと塗装afterの山小屋外観

 塗装は細かなところまで行った。窓枠は養生シートを貼って窓にペンキが付かないように丁寧に。窓枠の周りがもっとも塗装の剥がれが激しいように見える。ガラスにつかないようにわたしにできるのか……。やってみたけれど、早々にペンキ塗り係失格になった私は、上手な人たちに任せて賄いの準備に入る。

 滞在中の食事は毎日鍋だ。ポンプは回収してしまったから、水を小屋に引いていないし、ポリタンクに取っておいた水にも限りがある。外の雨樋から2つのタンクに溜めていた雨水をあてにしていたが、1つは栓が開けっぱなしで空っぽになっていた。幸い、もう片方は少し残っていたので洗い物や掃除などに使う。

ペンキ塗り係失格なので、賄い係に就任!

 小屋から10分下れば水場があるのだけど、大量に持ってくるのは大変だ。私は昨日きたばかりだけれど、数日前から滞在している仲間たちは「水浴びしに行こうかな」なんて言って順番にチャレンジしている。寒いのによくやるな、と思うけれど、水浴びは鳳凰小屋時代に私も当たり前のようにやってたのだった。似たような人がやっぱり集まるのだな。行水後は、誰もが憑物が取れたような顔で戻ってくるから笑ってしまう。

 すっきりとした後は、小屋に大量に残っている2年前のビールで乾杯だ。終わってみると、ヘリで荷上げしたペンキ4缶分(1本16ℓ)とトイレ用の防腐剤1缶が空っぽになっていた!  こうして長いこと滞在してくれていた友人たち、入れ替わりに上がってきてくれた友人たちのおかげで、4日間の行程で冬が訪れる前に無事塗装作業を終えることができた。