■ああ、絶景かな! 編笠山から望む日本一の山

編笠山の山頂から富士山を眺める。この冬景色が本当に好き

 岩場を越え、背の低い樹林帯を登り切ると、そこは標高2524mの編笠山の山頂。とても広くて、とてもよく陽にあたり、この上なく見晴らしがいい。真っ先に目に入る富士山はいつも見ているはずなのだけれど、ここから眺める富士山がもっとも美しいとぼくは感じる。天気がよければ、手前に御坂山地、そして甲府盆地も視認できるだろう。

編笠山より南八ヶ岳のオールスターたちを仰ぎ見る。とにかく迫力がすごい

 ふと背後に気配を感じ、振り返ってみると、そこには権現岳やら阿弥陀岳やら赤岳やらの“南八ヶ岳オールスター”たちがずどーんと聳え立っている。この迫力はなかなかのものだ。その上空には紺碧の空。宇宙空間にまで手が届きそうな気がしてくるのは、八ヶ岳ブルーの色合いがとても濃く、遠くまで続いている感じがするからだろう。

編笠山のお向かいには南アルプスの山々も。富士山、北岳、間ノ岳のTOP3が勢ぞろいする

 対面には南アルプスが雄大に構えている。こちらの眺めも負けずに素晴らしく、甲斐駒ヶ岳や北岳、仙丈ヶ岳、そして鳳凰三山もよく見える。これほどの高度から南アルプスを眺めることができるのはハイカーだけの特権と言えそうだ。そして編笠山ならではの絶景だと思う。

 眼下には北杜市や富士見町が見える。帰りはあのあたりに寄り道したい。カフェ、定食、ギャラリーや書店、そして源泉掛け流しの日帰り温泉。早朝から登る理由は、そういうところにもある。