西高東低の冬型の気圧配置、今シーズン最強の寒波の影響で僕の住む長野県北部も大雪に見舞われた。除雪車両がいたるところで走り回り、懸命に除雪を続けてくれている。

 冬はスキーをメインに撮影している筆者は、こんなときほど忙しい。どうしても現場までの行き帰りは車を運転することになる。スキー場を巡っていてふと気になったことをいくつか挙げたい。雪道ドライブのちょっとしたヒントになれば幸いだ。

■「ワイパーを立てておく」のは正しいのか?

ワイパーを立てて駐車中の車

 スキー場はもちろん、道中の民家に停めてある車を見ていると、降雪の可能性がある期間はワイパーを立てて駐車している車が多い。冬の雪国の常識的な方法だ。

 だが、これによってワイパーが折れてしまうことがあることをご存知だろうか? 実は雪は時間とともにじわじわ動いている。その際、絡め取るようにワイパーを押していく。最悪の場合、その力に耐えきれなくなり折れてしまうのだ(雪深い土地の山肌の木が折れていたり、幹が曲がっているのと同じ)。

 雪は元は水。水1リットル=1キログラムだとすれば、1立方メートルの雪の重さは約100〜200キログラムに達する(一般的な係数は水に対して0.1〜0.2程度)。雪は時間が経つと溶けたり締まったりしながら重さを増していく。車に大量の雪が積もるとその重さはかなりのものになるのは想像がつくだろう。

 ならば「立てない」方が正解か?

■「ワイパーを立てておく」メリット

冬の雪国でよく見る状態

 次にワイパーを立てるメリットについて考えてみよう。主に3つ理由が一般的だろう。

1)低温でワイパーのゴムがフロントガラスに凍りつくのを防ぐ。
2)凍りついたワイパーを(スイッチオンのままエンジンをかけたりして)無理やり動かしてしまって破損するのを防ぐ。
3)フロントガラスの雪かきをスムーズに行うため。

 以上のような理由から、ワイパーを立てている人がほとんどだと思う。
そこで、「立てない」で対処するには次のような方法がある。

1) (そもそもフロントガラス自体の凍結も溶かしたいので)デフロスターで溶かしたり、車種によってはワイパー部分だけ熱線が入っていたりする。
2) 車を停めたら忘れずにワイパーのスイッチをオフにする。もしくは、エンジンをかける前に確認する(不可能ではないが、実践できるかどうかはその人次第……。かく言う僕自身、よく忘れてしまっている)。
3) 少々手間だが、気を遣って雪かきをする(トップ写真のようになってしまったら、むしろ「立ててない」ほうが雪を下ろしやすい)。