■5. ソール形状は3タイプある

 ソールにはアルペンブーツ規格(ISO5355)とツアーブ−ツ規格(ISO9523)という2種類の国際規格があります。それぞれに対応するビンディング以外を使用する場合、仮に装着できたとしても保持や解放の機能が正常に稼働しないので非常にリスクを伴うため、きちんと対応したビンディングを使用しましょう。ツアーブーツ規格ながらセーフティビンディングに対応するグリップウォークソールも最近では増えています。

アルペン規格:アルペン規格ビンディングの機能に対応する
グリップウォーク:ラバーブロック中の樹脂プレートがポイント
ツアー規格:アルペン規格ビンディングには適合しない

■6. テックビンディング対応

 トウ(つま先)とヒール(踵)にテックインサートが搭載されていれば、テックビンディングを使用できます。現在、グリップウォークソールを含めたツアーブーツの多くが対応していますが、トウのみというブーツもあるので必ずご確認ください。

トウ側はコバに設けられているテックインサートをピンで挟んで固定するシステム
テックビンディングのヒールピースにある2本のバーをフックして保持するヒール側

■7. インナーブーツ

 現在、多くのブーツが熱成型(熱することで形を変えられる形状のもの)できるインナー(ライナー)を採用しています。足とのフィット感が格段にアップするのはもちろん、インナーとシェル間の隙間も埋めてくれるからシェルの中でズレにくく、素足からシェルまでがしっかり一体化して効果を発揮します。保温性の高さも大きな特徴となります。さらにシェルも熱成型できるモデルが増えているのでチェックしてみてください。また、市販されている熱成型タイプのインソールも少ない投資で効果は絶大だと言えます。

ラップタイプインナー:足全体をしっかり包み込む形状はバックルを締めなくてもある程度ホールドされるほどのフィット感を生む
タングタイプインナー:タングが独立したオーソドックスなインナーは足入れがよく、ターンの足首の動きにもよく追随してくれる
インソール:カカトの収まりがいい立体的なインソールは足裏のズレを防ぎパフォーマンス向上に効果的

■8. ウォークモード

 現在、ツアーブーツに限らず、多くのフリーライドモデルにウォークモードが搭載されている。モードチェンジするとカフのロックが解除されて前後に可動できるようになるのですが、実はバックカントリーシーンに限らず、このメリットを生かせる場所は少なくないのです。

カフの後部に配置されているレバーで滑走とハイクモードを切り替える
ウォークモードにした際の可動域

監修=辻 浩之(厳ファクトリー)、三浦龍介(MDVスポーツジャパン)、高橋知也(ディナフィット)

イラスト=鎌倉スキーヤー

 

【BRAVOSKI 2022 Winter vol.1 より再編集】