■歩きが楽しい大福山ルート…… けど、クルマを使うテも

 山頂に近づくと、展望台の手前にトイレと無料駐車場が現れます。

 そう、実は大福山へはクルマでお気軽に上がって来られるのです(笑)。時間がないときにはそれもいいのですが、見晴らしのみちの紅葉をゆっくり愛でられる歩きをやっぱりお勧めします。

車道は道が狭いので、車のすれ違いには要注意

 駐車場には展望台があり、鉄製のらせん階段を登ると、房総半島の鬱蒼とした森と山々が続きます。反対側には山並みと東京湾を挟んで対岸のビル群が霞んで見える、対照的な風景。残念なことに、西の方角には木立が繁り、富士山を拝むことはできません。

房総半島の山と森。なんとなくやさしげな雰囲気
東京湾越しに林立するビルが見える

 展望台からさらに進むと、通行止めの尾根道との合流地点には、東屋とベンチとテーブル。ここでひと休みして、持参したお茶と大福で一服(大福山で大福を食べるのはお約束でしょう!)。

東屋は老朽化? によって使用不可。ベンチとテーブルを使おう

 ここから大福山山頂はすぐ。山頂に眺望はありませんが、大福山白鳥神社が樹々に囲まれてひっそりと鎮座していました。静かに手を合わせ、安全な山歩きに感謝しました。

大福山白鳥神社

■渓谷&低山ハイクの後にちょっと寄り道も

 渓谷歩きと大福山“登山”の2つのコースをピストンして満足しましたが、せっかくクルマで来たので、ちょっと足を延ばして養老渓谷へも観光に。

養老渓谷は川幅も歩道も広いのでゆったり落ち着いて歩ける

 梅ヶ瀬渓谷とは比べものにならない人の数! 養老川の川幅も広くて、梅ヶ瀬川とはまた趣の異なる魅力が。高い山と低い山、どちらにもそれぞれのあるのと同様、渓谷の美しさもその規模感だけでは計れないものです。

 養老渓谷には温泉街もあり、黒湯と呼ばれる独特のお湯が評判で、日帰り入浴ができる旅館も多数。養老渓谷からさらにクルマで奥へ進めば、「栗又の滝」を中心とした滝めぐりのハイキングコースもあります。次回のプランは、養老渓谷と滝めぐりに日帰り温泉をプラス、というのもよさそう。

 その他にも、『ブラタモリ』ファンには堪らない(?)、世界的にも貴重な地層であるチバニアン(地球磁場逆転地層)があったり、養老渓谷やその先をつなぐローカル線・小湊鐵道やいすみ鉄道には鉄道ファンならずとも心ときめいてしまいそう。

絵になります。黄葉と小湊鐵道

 いくつもの見どころを兼ね備えた房総半島ののんびり歩きコース、紅葉がまだ見られるうちにプランニングをしませんか?