■自炊するか、お食事処で食べるか、自分で決める楽しみ
大沢温泉「湯治屋」には、お食事処「やはぎ」があるので便利だ。お食事処まで行くのが面倒な人には、出前もある(出前料金別途)。味には定評があり、その中でも人気は蕎麦。3種類から選べるので、日によって変えてみるのも楽しい。売店でも食材や必要なもの、お土産などが購入できるので立ち寄ってみよう。
筆者はまったく自炊はせず、お風呂上がりに生ビールとおつまみを楽しみ、その後に蕎麦をいただくのが定番となっている。朝食は予約が必要なので、チェックインの時に申し込んでおこう。
■化粧水みたいなトロトロの温泉が気持ちいい! 湯巡りができる4つのお風呂
肝心の温泉は「湯治屋」にある3つのお風呂、旅館「山水閣」にある1つのお風呂を巡る湯巡りが楽しい。
・「大沢の湯」
大沢温泉と言えば「大沢の湯」といわれるくらい有名な、開放感のある混浴露天風呂だ。豊沢川の流れを見ながら広く大きな露天風呂でストレス解消。冬の雪見風呂は最高だ。混浴は遠慮したいという女性には、女性専用時間があるので安心。
・女性専用露天風呂「かわべの湯」
女性専用なので安心してゆっくりできる「かわべの湯」。透き通った静かな清流の流れを見ながらリラックス。日々の疲れを癒やそう。
・「薬師の湯」
入り口から階段で降りていく内風呂。ひょうたんのような形の浴槽は、昔ながらのタイル張り。ぬるめと熱めの2つの浴槽があるので両方試してみよう。
・「豊沢の湯」
旅館部にある「豊沢の湯」は男女別の内風呂。大きなガラス戸があり、春から秋は解放されるため、半露天風呂のような景色が楽しめる。風呂は深めでお風呂の周りには座りながら入れるよう岩がある。シャワーがあるのは「豊沢の湯」のみなので洗髪をするときは「豊沢の湯」が便利だ。
■マナーを守って過ごす時間
湯治部は古い建物であるため、廊下を歩くたびにギシギシ音が鳴り、音までもが風情として楽しめる。もちろん、騒いだり、廊下を走っている宿泊客はいない。それぞれがリラックスし自分時間を大切に過ごしている。
●周辺の見どころ
・山の駅「昭和の学校」
東北中心から集められた昭和のもの20万点を展示している「昭和の学校」は、廃校を利用した懐かしい建物の中に、おもちゃ屋、レコード店など、昭和を感じられる資料がお店風に並んでいる。駄菓子など購入できるものもあるので、懐かしさを感じてみよう。
・「中尊寺」
中尊寺は金色堂が有名だが、実は3000余点の国宝・重要文化財を伝える仏教美術の宝庫がある歴史的なお寺。四季折々の景色も素晴らしく、心が洗われるかのようだ。2011年には「平泉の文化遺産」として世界文化遺産に登載された。
「湯治」というもう一つの楽しみ方、自分の楽しみ方がもう一つ増えたような嬉しい感覚を味わえる。田舎に帰ってきたような、ひと味違った温泉の楽しみ方を体験してみよう。