“おでかけ”と聞くと、ワクワクします。何故でしょうか?「出掛ける」と言うと近所への外出、「お出掛け」となると事前に計画された遠出のイメージがありますよね。言葉を調べてみると、昔から単語としての「お出掛け」は、出掛けることの美化語であって、日常生活における外出ではなく、旅行や帰省など、非日常的な特別な外出を表現する言葉として当たり前に使われてきました。
特に子ども達は、日常の活動エリアが、学校や塾など、家の近所が中心なので、大人以上に“おでかけ”への期待感が高いはずです。
■“おでかけ”に潜む落とし穴
子どもにとって“おでかけ”の言葉でイメージする楽しさは、少し大人と異なるかもしれません。その場所で得る楽しさや感動が明確にイメージできる、遊園地や映画館、テーマパークなどに行く場合、楽しさへの期待感は目的地に紐づきます。もし、楽しさがあまりイメージできない場合でも、車や電車に乗ることや、駅やパーキングエリアへの立ち寄り、車窓からの景色など、非日常であること全てが楽しさに繋がります。
ただそんな魔法のような言葉にも落とし穴があります。積み重なった嫌なことが大きくなった時、「もう●●には行きたくない」と、子どもは楽しかったはずの目的や場所を否定します。
特にアウトドアは子どもにとって楽しさが明確でないので、「歩いてばかりで疲れた」とか、大人であれば当たり前のことでも、嫌なことだけが大きくなって記憶される傾向があります。そんな落とし穴を避けるために、アウトドアへの“おでかけ”では、次の3か条を試してみてください。
●失敗しないための3か条
その1.“おでかけ”は家を出て、家に帰るまで。
目的地だけに悩むのではなく、移動や立ち寄り場所を含む、全ての行程を子ども目線で考え、計画する。
その2.楽しさは明確に。
「何をするのか」を考え、その内容に沿った情報を多く集めることで、子どもの興味を促す。
その3.振り返りが大切。
帰り道、もしくは帰宅後、子どもと、見つけたもの、気づいたこと、不思議に思ったことなど、“おでかけ”を振り返った会話する。
子どもと行くはじめてのアウトドアな“おでかけ”は、3か条を実践しつつ、先ず近場の森からスタートしてみましょう。
■自然公園の森に行ってみよう
国や自治体が管理、運営する自然公園は、比較的交通の便がよく、公共性が高いため、駐車場やトイレなどがきちんと整備されているので、家族で行くには安全、安心な場所です。検索すると、近場でも意外と多くの自然公園を探すことができます。ただ、公園によって規模やロケーションなどが違うので、場所探しに悩むかもしれません。
そんな時、森の楽しみ方を教えてくれるスタッフが常駐する施設(ビジターセンターなど)がある近場の公園を探してみてください。施設の見学や利用が加わると、遠足的、非日常的な感覚となり、一気に“おでかけ”感が高まります。
多くの施設には子ども向けに無料の展示室があり、その公園の森で観察できる動植物の標本やはく製、解説などを見ることができます。ひょっとしたら森の中で本物を見つけることができるかも? と思うと、ますます期待感が高まり、森を歩くのが楽しみになるはずです。