「キャンプ楽しかったね、また行こう!」と息子に聞くと、「次はゲーム持っていってもいいなら行こうかな」と素っ気ない答え。「ゲームよりも、釣りとかマウンテンバイクとかやってみたくない?」、息子はゲーム機の画面を見ながら、「うーん、キャンプ場って、あまりレアなモンスターいないし、わざわざ行かなくてもいいかな」。自然に親しんでもらいたいと願う父親としては、息子の期待外れの回答に思わずイライラしてしまう。
「家族でキャンプ!」と思いたったとき、スマホやPCで様々なサイトや投稿動画をチェック。収集した情報を基にいざ出発! 充実したキャンプだったはずなのに、子どもに感想を聞くとネガティブな回答。こんな経験ありませんか?
なぜなのか? その理由は、子どもと「興味や楽しさの相違」があるからかもしれません。
自分自身の価値観だけでアウトドアの楽しさをイメージすると、大人の視点に偏った内容になりがちです。子どもが何に興味を持ち、どんなことを楽しいと思っているのか? それらを知ることが大切。ヒントは日常の中で容易に探すことができるはずです。
日常での気づきをアウトドアに繋げることが、ギアやウェアを揃えるにも勝る準備となり、子どもと一緒にアウトドアを楽しむための近道となります。
■アウトドアはお家から
アウトドアへの第一歩はお家からです。子どもが興味を持ち、楽しいと思うことはなんだろう? それを知るヒント探しを、まずお家から始めてみましょう。
●ポイント1-子どもを知る
お家での生活、日常における子どもを改めて観察してみます。教育的な視点ではなく、あくまでもヒント探しです。単純な行動から観察し、得たヒントは良し悪しを決めず、否定なく検証してみます。
例えば、絵を描くこと、粘土や積み木が好きであれば、描いている、創っているものをよく見てください。模写的であれば森や海、川といった景観が特徴的で絶景な場所、逆に独創的であれば想像力が広がるような高原とか島、芝生が広がる開放的な場所を好むかもしれません。
モンスターと出会いながら、仲間と冒険の旅をする長寿アニメ、ゲームがあります。もしたくさんのモンスターに出会いたいと思うなら、山や森、海の生態系や多様性に興味が沸くかもしれないし、モンスターの個体に興味があるなら、観察や採取に熱中するかも。そして仲間との旅にあこがれるのなら、同じ世代の子ども達がいる家族とのグループキャンプや、学校やお習い事で開催する子どもだけのキャンプがおススメです。
少しだけ目を凝らし、意識することで、今まで見えなかったヒントがたくさん見えてきます。
大切なのは、見つけたヒントをアウトドアに置き換えて考えみることです。そうすることにより、子どもが楽しいと思うアウトドアを見つける可能性が高まるはずです。
余談ですが、魚釣りや虫獲り、鉱石や化石の発掘など、意外にアクティブなアウトドアな活動を強いられる某人気ゲームは、子どもの興味や楽しみを知るうえで力強い味方です。実際に昨年の夏休み、このゲームのブームによって、やたらと森で虫獲りをする親子を目にしました。数少ない化石や砂金の採取体験ができる施設もコロナ禍の中でありながら利用者数が増加したと聞いています。