■【2日目】雄大な尾瀬ヶ原をそぞろ歩く

見晴から至仏山に向かって延びる尾瀬ヶ原の木道

 2日目は尾瀬沼の対岸の沼尻から白砂峠を越えて見晴に向かう。燧ヶ岳の山麓に位置するこのエリアは、山小屋が多く尾瀬随一の賑やかなところ。ここから尾瀬ヶ原を貫く木道がまっすぐ延びている。尾瀬ヶ原は下田代、中田代、上田代に分かれ、見晴があるのは下田代。このあたりは延びやかな湿原が広がっている。湿原内は木道が整備され、ところどころに休憩用のベンチもある。ゆっくり散策しながら自然を間近で愛でられるのが尾瀬の魅力だろう。

■いろいろ寄り道しながら歩く

ヨッピ橋は鉄製の吊り橋。下にはヨッピ川が流れている

 木道歩きは快適そのもの。往来する人とすれ違いやすいように、右側を歩くのがルールだ。しばらく木道を進み、竜宮十字路あたりがちょうど尾瀬ヶ原の中核部分。時間があればここで木道を右(北西)に曲がり、ヨッピ橋や東電小屋に寄り道をするのもおすすめだ。ヨッピ橋の下を通るヨッピ川は湿原の水を集め、やがて只見川となって山麓に流れていく。

■山ノ鼻からゴールの鳩待峠へ

湿原のあちこちに水生植物が豊富な池塘が点在

 尾瀬ヶ原を進むにつれて至仏山が近くなり、池塘もたくさん見られるようになる。明るく広大な湿原は山ノ鼻まででおわり。その先は樹林帯のゆるい登り道が続き、登りきったところがゴールの鳩待峠だ。山に登らず散策メインの旅だが、沼や湿原、山の姿など、変化に富んだ尾瀬の自然をたっぷり満喫できる。

■季節ごとに楽しめる色とりどりの花

雪解け時期にみられるミズバショウは尾瀬を代表する花。各所に咲くが中田代に群落が多い
ニッコウキスゲの見頃は7月。大江湿原が群生地として知られる

 尾瀬の一般的なシーズンは5月中旬から10月末まで。一年の半分は雪に閉ざされ、湿地から雪が姿を消すのは5月下旬ごろ。6月にミズバショウが最盛期を迎え、この時期はかなり混雑する。7月に次々と花が咲き、尾瀬がもっとも華やぐシーズンだ。夏はニッコウキスゲが黄色いカーペットのように湿原に群生し、これを目当てに訪れるハイカーも多い。尾瀬の夏は短く、8月下旬には秋の気配が近づき、9月中旬には湿原の草紅葉がはじまる。10月は樹木が紅葉し、霜が降りるとまた静かな冬が訪れる。尾瀬は訪れる季節ごとにさまざまな美しさを見せてくれる。

 

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