8月下旬。ジットリとした、ネバつくような猛暑を避け、とにかく涼しいキャンプサイトを探していた。そういえば自然地形がナイスなスキー場「ヤマボクワイルドスノーパーク」の夏バージョン、「ヤマボクグリーンサイト」があるじゃないか!
■もう帰れない!? お手製ブランコに囲まれて真夏でもヒンヤリ涼しい快適キャンプ!
長野県の北部、高山村にあるスキー場「ヤマボクワイルドスノーパーク」。夏はキャンプ場もやっているらしい。冬のスキー場同様に自然の地形を生かしていて、本来のアウトドアライフが楽しめる! とある。さらに近くにはいい温泉もある。調べてみると売店や食料品店が最寄りにはなさそうだ。峠に上がる前に、麓の町でしっかりと買い出しを済ませてからヤマへむかった。冬の凍結路とはちがい夏の舗装路は快適そのもの。いくつもの温泉の看板を通り過ぎていくと、いつもの真っ白なヤマボクではなく真っ青なヤマボクがボクらを出迎えてくれた。
クルマから降りるとすぐに実感する、内陸特有の湿度の低い涼しさ。すごく心地いい。受付を済ませ、管理人のおじさんから色々聞いてみる。なんと、ここにはキャンプの天敵、蚊やアブの類が非常に少ないとのこと。
「今回虫刺され一切なし!」
■自然の地形を生かしたワイルドさと手作り感が魅力
ワイルドな地形がウリのヤマボクスノーパーク。ヤマボクグリーンサイトの地形もワイルドだった。適度に広い広場と高低差のある地形、丈夫な木々、きれいな炊事場。管理人のおじさんたちは、「ここは自然しかないから子供たちが楽しめるものがあるかな・・・」と、少し申し訳なさそうに言っていたけれど・・・
だがいい! そこがいい! むしろそれを求めてやってきた!息子は虫取り網と昆虫観察キットを持ってすっ飛んでいき、娘はキャンプ場の森のブランコでご満悦。
「おじさんたちのお手製ブランコ・・・ワイルドだね。」
爽やかな風に吹かれ、木漏れ日と葉擦れの音を感じながらテントを設営していく。今回はテントの陰干しも兼ねてテントを3張設営した。4人家族の僕らは、今晩はベッドキットを組んだバンを含めて計4張りのテントで1人ずつ眠ることにした。
焚火をしながらの夕食。来る道中で買った信濃町のトウモロコシをあぶったら絶品だった。片付けを済ませ、空を見上げると無数の星が煌いている。キャンプ場の広場で寝転がって美しい天の川を見る。体に優しい冷気と静けさ・・・これで充分なんだと実感した。
■子供たちと笠岳トレッキングへ
少し早起きの朝。小さめのバックパックに飲み物と行動食を用意して、トレッキングシューズに足を入れる。キャンプ場からほど近い笠岳に登ってみることにした。クルマで気持ちのいいドライブを少しすると、ニョッキリとした山容が見えた。分かりやすい駐車場にクルマを置き、テクテク歩いていく。どうやら今日の山はかなり楽そうだ。と子供たちのペースも速い。よく整備されている登山道に、少しピリッとした緊張感のある岩場を抜けて30分ほどで山頂へ到着した。遠くに見える浅間山や八ヶ岳、北アルプスの山並みを見ながらのモーニングコーヒー。10歳の娘や7歳の息子はホットココアと行動食をモグモグ。
子供たちとこういうことがしたくて、小さいときから1時間、3時間、6時間・・・と、近所の森や裏山のフィールドで、少しずつ少しずつ徐々に慣らしてきた。何か思いついたときや、天候のチャンスに恵まれたとき、すぐに動けるようにフィールドに慣れておくのは大事だと思う。その甲斐あってか、最近はけっこう行動範囲も広がり、できることも増えてきた。子供たちも頑張って着いて来てくれてありがたい。
「まぁ親も頑張っているのだが・・・」
帰りもサクサクと来た道を辿りキャンプ場へと戻った。
牧場の牛たちも起きだして草を食べている、そんなゆったりとした感じが心地いい。今度はしっかりとした朝食を食べて後片付け。冬はパウダーでのナチュラルヒットも楽しめるところだが、真夏もこんなにナチュラル体験がヒットできるとは思わなかった。夏も冬もゆったりと楽しめるヤマボクグリーンサイトは、我が家にとってそんなキャンプ場である。
ヤマボクグリーンサイト
所在地:〒382-0817
長野県上高井郡高山村山田牧場
TEL:026-274-5959
営業期間:7月初旬~11月