■ココヘリのサービスは、ヘリ捜索だけじゃない!

北アルプスで捜索のためにドローンが出動(写真提供:AUTHENTIC JAPAN株式会社)

 その名の通り、遭難者をヘリコプターで捜索するココヘリですが、そのサービスはどんどん進歩しています。

 悪天候などの事情でヘリが飛べないような状況を考慮して、専用アンテナを積んだドローンによる捜索ネットワークも強化するという基本機能の拡充や、個人賠償責任制度やアウトドア用品補償といった補償制度なども。また、この6月からは会員限定の通販サイトも開設し、購入額に応じて年会費の割引も受けられるとのことです。

 そして、登山に行かない日でも活躍する「スマートフォンによる探索機能」。これはいま話題の“忘れ物防止タグ”のように、ココヘリの会員証(発信機)を大切なモノに付けておけば、スマートフォンのアプリから置き場所を見つけ出せるサービスです(スタンダードプラン以上が対象)。

 このように、登山中だけでなく日常でも恩恵を受けられるとなれば、加入へのハードルが下がるというものです。

発信機からの電波をスマホで受信。街なかで荷物の紛失や迷子の防止にも

 ここまで見てきたように、低山歩きでも、さらには街なかでも、ココヘリに加入するメリットはあるようです。費用も1ヵ月あたりに換算すると500円弱(スタンダードプランの場合)なら、それほど負担にはならないでしょう。

■加入しただけでは「安心」とは言えない

登山届の提出とともに、家族や友人にあらかじめ登山の予定を伝えましょう

 ただし、「よし、ココヘリに入っておけば遭難対策はもう安心!」ということではありません。

 万一遭難したとしても、誰かが「捜索を要請」しなければ、ヘリは飛んできてくれません。遭難した本人が携帯電話で救助要請できる状況ばかりではないのです。自分が登山に行っていることを誰も知らなければ、遭難しても助けを呼んでくれる人は……。考えただけで背筋が寒くなりませんか?

 だからこそ、事前に登山計画を立て、登山の予定を家族や友人に伝えておき、「登山計画書」を提出することが重要になります。登山口に設置されているポストへの投函のほか、ネット経由で提出する方法も多数あることは既にご存知でしょう。