■ナイフでの怪我を回避するためには

 安全にナイフを使ううえで、一番重要なのは作業する場所だと思っています。皆さんも家でぐらつくテーブルの上でナイフを使わないだろうし、使っていたら怒られるでしょう。しかし、アウトドアでは不安定な場所で刃物を使っている人をよく見かけます。私はテーブル等を安定させるために地面を掘り下げます。作業を始める前に、まずは作業をする場を整えるのが重要です。

ブレードバックは何かと使える部分。昔はノコギリ状が多かった。私はバールのように使っている

■家で使い慣れている道具が一番安心

 アウトドアの反対はインドア。つまり、家でやっていることを外でやるだけだと思っています。私は家の中でもアウトドアで使うナイフを使います。切り口のある袋の開封にもナイフを使っています。少量の食材カットにも包丁を使わずにナイフ。ハサミやカッターは極力使わず、カッターマットとナイフ。

 普段から使うことで、どの様に使うのが切りやすく安全なのかが分かってきます。私が子供の頃は、今のようにすぐに切れる袋は一般的ではなく、テーブルの果物ナイフやキリダシを日常的に使っていました。やはり大きなナイフより小さなナイフの方が使いやすいです

■サイズ選びは手のひらや指の長さに合わせる

 古い考え方かも知れませんが、使いやすいナイフの選び方は、自分の手に合わせることだと考えています。ブレードを指に合わせて、全長を手のひらに合わせる。グリップ部分を握りこぶしの大きさに合わせるという考え方もありますが、これも同じ理由です。

 ベテランほど小さない刃物を使うと言われるのは、大きいナイフを経由して、結局は手のサイズに合ったものに戻ってくるためだと思っています。

手に持つ道具は手に合わせるのが合理的
特に刃長を指に合わせるとコントロールがしやすい