■素材は炭素鋼か、ステンレスか

 私の周りのナイフ好きに素材の話を聞くと、全員ステンレス派です。正確には刃物用の「炭素鋼1095」と比較しての「AUS8」が下限だとか、やっぱり「VG10」は使いやすいだとか、「20CV」は硬くて錆びないだとか、少し高いが「S35VN」はバランスが良いだとか。素材を正式名で話せる人は、だいたいステンレスを選んでいます。職人気質の微妙な切れ味にこだわる方以外は、ステンレスを選んでおけば問題ないでしょう。

■フィックスかフォールディングか

 真偽のほどは分かりませんが「カウボーイはフォールディングしか使わない、なぜなら落馬した時に危険だから」と言われています。私もこの話を信じていて、移動の時はフォールディングナイフばかりです。最近のフォールディングナイフは素材からロック機構まで見直されて、とてつもなく頑丈なものまで発売されていますが、残念ながら日本では50年前のフォールディングナイフしか認知されていないのが現状です。

 

「フォールディングナイフは弱い」のは昔の話。下のAD15は分厚いS35VN鋼材とスコーピオンロックのタフな組み合わせ

■最終的には使い方次第

 以前、ナイフを使っていただけで、出身地を当てられたことがあります。言い当てた方はボーイスカウトの関係者らしく、私のナイフの使い方は竹細工を行う地域独特とのこと。実際に子供の頃は竹で貯金箱やコップ、遊び道具を作っていました。

 このように同じ国でも地域によって刃物の使い方も変わってきます。私の場合は安全第一で、とにかく刃物を動かすなと教わってきました。一番良く使う握りは「チェストレバー」と呼ばれるナイフを逆に持ち、お腹でナイフを固定して切断する握り方です。ナイフが体から離れず、力を入れたカットも安全に行なえます。ブレードと目の位置が近く、目で見ながら刃をコントロールすることができる扱い方です。

切るものに合わせてグリップを変えると安全性が増します。得意不得意もあるので家で練習を

■触って自分で考える

 これはこのように使うものだとか、誰かが良いと言ってるから良いものだなど、最近のアウトドアはマニュアル化が進み過ぎているように感じます。本来は自分で触って、持って、見て、試して臨機応変に判断するのがアウトドアだったはず。その感性を呼び戻すのがやはり、ナイフ・火・ロープだと思っています。

 いろいろと解説しましたが、ナイフ選びも最終的には自分の用途にあったもの、触ってみてしっくりくるものを選んでください。