なかなか思うように休みが取れない。自由な時間はあまりなく泊まる時間はないけれど、それでも山に行きたい!  そんな思いから、ゆるめのハイクから、ときには長い行程を日帰りで歩いてしまう。私が恵まれていることは、長野に住んでいること。山々がとても身近にあること。この環境を生かして様々な日帰りハイクをしてきている hykemika_y のオススメ! 日帰りで行ける山【癒し編】。

■出発は早朝の「蓮華温泉」から!

「天狗の庭」からの景色

 この日はうっすら明るくなった5時に歩き出した。なぜならソロハイクで、真っ暗だと怖いので……。スタートは蓮華温泉からにした。途中で何人か登山者に出会い、話を聞くことができて興味深かった。目指す場所は皆違うようで、私と同じ小蓮華山の日帰りルートの人もいたし、白馬大池までのピストンの人や、白馬大池でテント泊の人。トレイルランナーは、小蓮華山を経て白馬岳を往復するらしい(すごい!)。 平日ハイカーである私は、たくさん人がいる山は経験がないので、山で出会う人との会話も楽しい。このときは9月の上旬だった。次に行くなら7月か8月に行きたいと思っている。その理由は......。

■チングルマの穂が輝く「白馬大池」は、まるで天国のようだった!

天空の「白馬大池」

 樹林帯の木道を行くと、やがて苔の森になり神秘的な雰囲気の場所がある。香りもいい! 「 天狗の庭」に着くと目指す小蓮華山が見える。疲れが吹き飛ぶ! ここから先は岩場になる。

「私は地味な斜面の方が苦手で、こういう岩場の方が歩きやすく楽しい」

と言いつつも息を切らしながら歩き、空が近くなった気がしたときに(森林限界を越えた!)「白馬大池」に到着した。大池までの一本道はなだらかで、足元には綿毛となったチングルマの群生、振り返れば海も見える。天気にも恵まれ雲ひとつない青い空……。雄大な自然をほぼ貸し切り状態で、天国を思わせる場所だとさえ感じた。たくさん山を歩いてきて一番感動した場所だ。大げさかな?

大池の畔に群生するチングルマ。穂が輝き美しい

 チングルマは今までも見たことはあったが、群生地を見たのは初めてだった。この時期は薄いピンクの綿毛になりそれも可愛らしい姿だが、

「あの数の綿毛が全部お花だったら!」 

そう思うと見たくてたまらなくなった。どうやら梅雨明けから8月上旬がお花畑の見頃になるそう。今年はその時期を狙って行きたいと思っている。一番人気の季節で、登山者で大賑わいらしい。静かな山を楽しみたいなら、私が行った9月上旬がオススメだ。