新型コロナウイルスの影響は、日々の生活だけでなく、アウトドアの楽しみ方にまで大きな影響を及ぼし始めている。昨年からは登山のルールが大きく変わり、山でもマスクやフェイスカバーの着用が推奨されるようになったことは記憶に新しい。

 変化し続ける状況に対応すべく各社が製品開発に取り組む中、イギリス生まれのアウトドアブランド・カリマーから興味深いニュースが届いた。ポリジン社の「バイラルオフ」という最新の抗ウイルス加工技術を採用した、他とは一線を画すフェイスカバーとTシャツがリリースされるのだ。

■「バイラルオフ」は2時間で99%ウイルスを減少させる

「VIRAL(バイラル)」とは「ウイルス」の意。つまり、ウイルスをオフにする加工ってこと

 ポリジン社とは、2004年にSARSが世界的に流行したことを機に抗菌・抗ウイルス加工技術を専売する企業として誕生したスウェーデンの大手製薬会社。彼らは素材ではなく、主に2つの特殊な加工技術を扱っている。1つはバクテリアの成長を抑制して臭いを抑える「抗菌加工」、そして2つめは外から臭いを「吸着分解」する技術である。

 2020年、新型コロナウイルスの流行拡大を受け、彼らが培ってきたウイルス対策のノウハウや知識を応用して生まれたのが、前述の「バイラルオフ」と名付けられた技術だ。バイラルオフを繊維に加工すると、2時間でなんと99%のウイルスを減少させることができるそうで、すでに新型コロナウイルスに対しても有効性が実証されている。*1

*1 ISO18184:2019の試験方法に基づき2時間で99%減少(SARS-CoV-2) 。バイラルオフ加工は繊維上の特定のウイルスを減少させる加工技術であり、ウイルスの働きを抑制するものではない。またこの効果は永久的なものではない。