■自由な野生の猿たち。人間との境界線はない  

転落防止の柵はあるが、ニホンザルたちは自由に行き来することができる

 興味深いのは、モンキーパークと銘打っているが、ここの猿たちは飼育されている訳ではないということ。つまり集まっているのは野生のニホンザルたちなのだ。動物園やサファリとは違う。

 来るのも自由だし、去るのも自由。猿たちは湯の中だけでなく、周囲の山の斜面にもいる。温泉に入る入らないも猿たちの気分次第なのだ。

 柵はあるが、あくまでも人間が露天風呂に立ち入らないようにしているだけ。猿たちの行動に制限がある訳ではない。

 それでも、まるで人間の存在が気にならないかのように猿たちは振る舞っている。観光客の足元を元気に追いかけっこしているチビッコ猿たちは、人にぶつからないし、風格のある猿が悠然と横を歩いている。境界線はないのだ。

 湯上りにタオルやドライヤーを使えるわけではない。濡れて毛がピタッと萎んだ猿たちは、ひと回りもふた回りも小さくなっていて、とても寒そうに見えた。充分に温まれば、温泉効果で平気なのかな?

■山道なので、滑りにくく歩きやすい格好で

凍った遊歩道。平坦なところがほとんどだが、坂や階段もある。足元に注意して

 夏場は地獄谷駐車場まで車で行くことができるが、冬期は車両通行止め。そのため上林温泉奥の駐車場から遊歩道を歩くことになる。

 歩く時間は行きも帰りも約40分。平坦な道だけでなく、坂や階段もあってちょっとしたトレッキング気分を味わえる。歩きやすい服装と滑りにくい靴で行くのが安心だ。

地獄谷野猿公苑:https://jigokudani-yaenkoen.co.jp