■栗生岳を越えて、いよいよ宮之浦岳山頂へ!

栗生岳に向かう登り。左後方に見える2つの岩塔が翁岳

 投石平を出発し、翁岳(おきなだけ)の鞍部にある携帯トイレブースを過ぎると、山頂エリアが近づいてくる。広い笹原に点在する巨岩や、山肌から突き出た奇岩の数々を眺めながら一歩一歩登っていき、大きな岩が鎮座する栗生岳(くりおだけ)へと差し掛かる。丘のような場所なので、そのまま通り抜けてしまいそうだが、標高1,867mの栗生岳は、屋久島および九州で3番目に高い山だ。

栗生岳の山頂道標は岩の裏手に設置されている
洋上のアルプス最高峰、宮之浦岳の山頂をついに踏破!
荒々しい岩峰の永田岳。山頂からその峰を越えて縦走することもできる

 栗生岳から一度下り、最後の登り返しを終えると、ついに宮之浦岳の山頂に到着だ。さえぎるもののない山頂からは、360度の大パノラマで山並みを一望できる。ルートの先には、屋久島および九州で第2位の高峰、永田岳(ながただけ)がそびえ立ち、鋭く尖った山容がかっこいい。

 最高の天気に恵まれた中、しばし至福の登頂の余韻に浸り、「まだこの景色を眺めていたい」と、名残惜しみながら山頂を後にした。

行きは暗闇で見えなかった、力強さを感じるうねるような木の根
透明な流れと川底の白い砂がキラキラと輝き、信じられないほどに美しい

 往路と同じ道を通っての下山となるが、日の出前の薄暗い早朝には気づけなかったさまざまな景色に出会うことができた。山麓付近の森の中には巨木が並び、力強く根を張る様子は生命力で満ちあふれている。そして、登山口の少し手前で再び渡る淀川(よどがわ)は、足を止めるて見とれるほど澄みきった水が流れていた。下山の道のりは、屋久島の自然の豊かさを改めて実感できる体験になった。

■下山後の立ち寄りスポット「紀元杉」

標高1,226mに位置し、車道のすぐそばにあるので車のなかから見ることもできる

 淀川登山口に無事に戻ったあとは、駐車場から少し下った場所にある「紀元杉」にも立ち寄った。車道の脇にそびえ立つその巨木は、推定樹齢3,000年とされている。周囲には遊歩道が整備されおり、木の間近まで行くとその大きさをより実感できる。これほど近くで仰ぎ見ると、迫力とともに、長い年月をここでたたずんできた神聖さも感じられる。屋久杉の巨木まで車でアクセスできるのは唯一ここだけだ。

高さ19.5m、周囲8.1mの巨木。木の幹には十数種類の植物が着生しているという
推定樹齢3,000年の巨木「紀元杉」。間近で仰ぎ見るとその存在感に圧倒される
宮之浦岳登山とともに「紀元杉」に立ち寄ろう

<おすすめルート>
淀川登山口 → 淀川小屋 → 花之江河 → 投石平 → 栗生岳 → 宮之浦岳 → 淀川登山口
(所要時間:10時間5分)