新潟県魚沼市の“秘境”に位置する「奥只見」。深い山々に囲まれた「秘境」とされるこのエリアのなかで、中心となるのが「奥只見湖」だ。湖では5月下旬から11月上旬にかけて遊覧船が運航し、手つかずの自然がそのまま残された秘境でのクルージングが格別だ。
また、秋は紅葉の名所として知られ、例年10月中旬から11月上旬になると周囲の森が赤や黄色に染まった錦秋の世界へと移り変わる。そんな、秋の奥只見をめぐる旅へ出でかけてみよう。
■トンネルを抜けて「錦秋の秘境」へ!
奥只見湖へのアクセスは、冒険心にあふれた道のりだ。その象徴が、全長22kmのうち18kmがトンネルという驚きの「奥只見シルバーライン」だろう。このルートは奥只見ダムを建設するための資材運搬用道路として造られたもので、ゴツゴツとした岩肌がむきだしの薄暗いトンネルは、まるで地下迷宮を進んでいるかのようだ。
関越道・魚沼ICから国道352号を進み、「奥只見シルバーライン」経由で約50分。電車でアクセスする場合は、上越新幹線・浦佐駅から奥只見ダム行きの路線バスが出ている。運行日は限られており、2026年の秋は、11月3日までの土曜・日曜・祝日のみ運行。事前に運行日と時間をチェックしておこう。
■迫力満点の奥只見湖
そんな長いトンネルを抜けて到着するのが、迫力のある「奥只見ダム」だ。最大700台が駐車できる市営駐車場があり、バスもここが終点となる。1960年に完成したこのダムは、国内最大クラスの貯水容量を誇る巨大ダムだ。
紅葉クルージングを楽しむ「遊覧船」の乗船場はダムの上にある。徒歩でも移動できるが、標高差があるので、体力に自信がない場合は「スロープカー」の利用がおすすめだ。ダムの上からは、周囲の山並みとエメラルドグリーンの湖面が一望でき、ブナやカエデの原生林がその周りを取り囲む。秋にはこれらが鮮やかに色づき、ダム湖の美しさをより引き立てる。
■紅葉がパノラマに広がる湖上クルージング
船着場から遊覧船に乗り込み湖上に出ると、色鮮やかに紅葉した原生林を360度で見渡せる最高のロケーション。船でゆったり湖面を進んでいくと、荒々しい峰が連なる「荒沢岳」や丸みを帯びた山容の「平ヶ岳」、そして尾瀬のシンボルである名峰「燧ヶ岳」など、2,000m級の山並みが次々と現れる。
秋のシーズンは、目的の異なる主に2つのコースを楽しむことができ、そのひとつが、奥只見ダムの乗船場を出発して再び同じ場所へ戻ってくる「奥只見周遊コース」だ。約30分かけて湖をぐるりと一周しながら、奥只見湖の見どころをあますことなくめぐれることが魅力。スタート地点に戻ってくるため、マイカーユーザーにはおすすめのコースといえるだろう。なお、2026年の運航期間は11月8日までとなっている。
もう一方のコースは、奥只見シルバーラインの途中にある銀山平から奥只見ダムまでを結ぶ、片道約40分の「銀山平コース」だ。グリーンシーズンは団体予約のみだが、紅葉時期の10月1日〜11月6日は定期運航となり、団体でなくても気軽に乗船できるようになる。さらに、紅葉シーズンには銀山平と奥只見ダムを結ぶ無料送迎シャトルバスも運行されており、この片道ルートを利用してもスタート地点に戻ることが可能だ。
■船を降りた後もお楽しみ満載!
奥只見湖のクルージングを楽しんだ後は、ダム湖周辺の施設にもぜひ立ち寄ってみよう。ダムの駐車場に隣接する「奥只見レイクハウス」では、魚沼産コシヒカリを使った定食や、ライスをダムの形に見立てた「流れるダムカレー」などさまざまな食事を提供。お菓子や名産品など地元のお土産も揃い、買い物を楽しむこともできる。また、ダムを見下ろす高台にある「奥只見電力館」では、最新のデジタル映像技術による展示を通して、ダムの歴史や水力発煙の仕組み、奥只見の自然などを楽しく知ることができる。
奥只見湖はまさに今が、紅葉が色づきはじめたところ。これから秋が深まるにつれてさらに鮮やかさを増していく秘境の秋を、さっそく楽しみに行こう。