暑さが少しずつ落ちいてきた今の時期に散歩をしていると、カラスウリなどの植物に「円形の穴」がたくさん開いている光景を見たことはないだろうか? 円形の穴が並ぶ様子は、まるで水玉模様のよう。じつは、この模様を作った犯人は”とある昆虫”である。
今回はその犯人の正体と、そのような行動を取る理由について紹介しよう。
■水玉模様を作った犯人は「クロウリハムシ」
カラスウリの葉に水玉模様を作った犯人の正体は、「クロウリハムシ」と呼ばれる昆虫だ。
ボディ(はね)は黒く、頭部と胸部がオレンジ色という姿が特徴的な「ハムシ」の仲間である。
ハムシは漢字で書くと「葉虫」であり、幼虫も成虫も植物の葉を食べる習性を持つものが多い(たとえばチョウの場合、幼虫時代は植物の葉を食べるものが多いが、成虫になると葉は食べなくなる)。
また、ハムシの仲間は、植物であればなんでも食べるというわけではない。種ごとに好む植物が存在する。
クロウリハムシの場合、名前に「ウリ」と付く通り、ウリ科の植物を好む。ウリ科植物につくハムシは、他にも「ウリハムシ」などがいるが、カラスウリで見られるハムシはクロウリハムシであることが多い。
■クロウリハムシがトレンチ行動を取る理由
クロウリハムシがカラスウリの葉に穴を作る手順は以下の通りだ。
- まず、円形にかじって傷(溝)をつける
- 円形の内側を食べる
- 円形の内側を食べ切ると、丸い穴ができる
つまり水玉模様は、クロウリハムシがトレンチ行動をした結果というわけだ。なお、溝のことを英語で「トレンチ(trench)」と言うが、この行動は1の手順に由来して「トレンチ行動」と呼ばれている。
では、なぜクロウリハムシはこのような食べ方をするのだろうか?
その背景には「虫と植物の攻防」がある。