堤防での海釣りは誰もが気軽に始められるため、週末の堤防は多くの釣り人で賑わっている。その一方で、転落や落水、毒魚によるトラブルは後を絶たない。「子どもの頃に家族とよく行っていた」「足場がよいから大丈夫」など「今までは大丈夫だったから」という、そんな過信こそが最も危険なのだ。
海釣りは予測不能な自然相手であり、決して油断してはいけない。今回は、週末アングラーがすぐに実践できる安全に楽しむためのリスク管理術を解説する。
■安全なライフジャケットの選び方
陸続きの堤防において、ライフジャケット着用の法的義務はないが、安全のために着用することを強く推奨する。ここで特に重要なのが、国土交通省の安全基準に適合した桜マークの有無だ。安価な非認定品のライフジャケットには、落水時に浮力が足りないことも多い。命を預ける装備である以上、必ず信頼できる桜マークつきの製品を選ぶべきである。
また、意外と知られていないのが笛の存在だ。桜マークつき製品には笛の装備が義務づけられており、波風が強い海上でも遠くの人に存在を知らせることができる。
腰や肩にかける自動膨張式のライフジャケットの場合、笛はカバーの内側等に収納されている。出発前に自分の装備のどこに笛があるか確認しておくことが、運命をわけることにもなる。
■釣りに行く前の情報収集が重要
安全な釣行は、家を出る前の情報収集からすでに始まる。 風や波の状況で釣りができるかどうかを、現地に行ってから判断するのではなく、出発前にスマホで気象条件など「3つの数字」を確認する習慣をつけよう。これだけでリスクは劇的に減らせる。
・風速5m以上:突風のリスクまで考慮すると、吹きっさらしの堤防上での釣りは転落の危険性が高いため「行かない」のが鉄則だ。特に経験の浅い初心者の場合、小枝が揺れる風速3m程度であっても、仕掛けを投げたりアタリをとったりするのも困難になるだろう。
・波高1.5m以上:海面から十分に高さのある堤防であれば不可能ではないが、風が伴う場合は転落の危険性が高まるため「行かない」のが鉄則だ。
・満潮・干潮の時刻:潮汐表アプリで必ず確認。満潮時に帰り道が水没し孤立するリスクの把握が重要だ。
現地に行ってからだと「せっかくここまで来たから少しだけでも」という心理に陥りやすく判断を鈍らせる。事前の準備と情報収集が、現地で自らの命を守ることになることをしっかりと覚えていてほしい。