■爆釣ならずも一荷や19cm級が登場!  状況に合わせて楽しんだ夏の涸沼川

一度に2匹掛かる一荷も飛び出した。十字テンビン釣りならではの醍醐味だ

 釣りを始めたのは、潮がゆっくりと引き始める下げ潮のタイミングだった。2本の仕掛けを投入して2分ほど待ち、竿をゆっくり持ち上げて様子をうかがうと、「クンクンッ」と小気味よいアタリが伝わってきた。幸先良く1投目から本命がヒット。姿を見せたのは、お腹に卵を抱えた12cmほどのメスのテナガエビで、思わず笑みがこぼれた。

最初に釣れたのは、お腹に卵を抱えたメスのテナガエビ
ハリを無理に外すと傷ついて弱ってしまう。生かして持ち帰るなら、ピンセットで優しく外してあげよう

 その後も数匹は順調に釣れたものの、4~5匹ほど釣ったところで反応が途絶えてしまった。こんな時は一か所に粘らず、数mずつ場所を移動しながら別の消波ブロックを探っていくのが筆者のスタイルだ。手つかずの群れに当たれば再び釣れ始めることも多い。しかし、この日は場所を変えても期待していたほどの反応は得られなかった。

 そんな時、近くで釣りをしていた地元の男性が声を掛けてくれた。その方によると、最近は雨の日が続き、水の濁りが強くなって釣果が伸びない日が多いという。濁る前はよく釣れていたそうで、その話を聞いて、この日の厳しい状況にも納得がいった。

 そこで爆釣への期待はひとまず置いておいて、一匹一匹とのやり取りをじっくり楽しむことにした。すると不思議なもので、焦る気持ちはいつの間にか消え、のんびりとした穏やかな気分で竿を出せるようになった。

 その後は十字テンビンの効果もあって根掛かりに悩まされることなく、2本のハリに同時に掛かる一荷(いっか)も飛び出した。さらに、この日最大となる全長19cmのジャンボテナガエビも姿を見せ、涸沼川の個体らしい力強い引きを存分に味わうことができた。

この日最大となる全長19cmのテナガエビ。涸沼川らしい見事なジャンボサイズだ

 最終釣果は3時間で18匹。期待していたような爆釣には届かなかったものの、自然条件に合わせて釣り方や気持ちを切り替えながら楽しむ時間は、それ以上に充実したものだった。改めて、テナガエビ釣りは釣果だけでなく、自然との駆け引きそのものを満喫できる釣りだと実感した。

釣れたテナガエビは、こまめな水替えとエアーポンプによる酸素供給、さらに日陰で管理すれば、長時間元気な状態を保てる
透明な水槽を用意すれば、テナガエビの姿や行動をじっくり観察できる

■釣った後のお楽しみ テナガエビのから揚げは夏ならではのごちそう

鮮やかなオレンジ色と香ばしい香りが食欲をそそる、涸沼川産テナガエビのから揚げ

 釣りを満喫した後は、もうひとつのお楽しみが待っている。それは、自分で釣ったテナガエビを味わうことだ。

 今回は、大型個体は殻が硬く食べにくいためリリースし、食べ頃サイズのテナガエビだけを生きたまま持ち帰った。自宅でひと晩しっかり泥抜きをした後、日本酒で締めて下処理を行い、小麦粉をまぶして170~180℃の油でカラッと揚げる。最後に塩をふるだけで、テナガエビ本来の甘みとうま味を存分に味わえる一品が完成する。

 揚げたてのから揚げは、殻まで鮮やかなオレンジ色に色付き、見た目からして食欲をそそる。ひと口頬張ると、サクサクとした香ばしい食感とともに、テナガエビならではの濃厚なうま味が口いっぱいに広がる。これこそ、自分で釣ったテナガエビだからこそ味わえる格別のおいしさだ。この日は家族二人でビールと一緒に楽しみ、あっという間に平らげてしまった。

 今回の釣行では期待したような爆釣とはならなかったものの、涸沼川らしいジャンボサイズとの出会いもあり、釣って、味わって、夏の一日を存分に満喫することができた。

 涸沼川のテナガエビ釣りは、これからも好シーズンが続く。2mほどのノベ竿とシンプルな仕掛けがあれば、初心者や子どもでも十分に楽しめる。今年の夏休みは、釣って楽しく、食べておいしいテナガエビ釣りに出かけてみてはいかがだろうか。

※ 管轄漁協:大涸沼漁業協同組合 https://oohinumagyokyo.jp/

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