谷川岳(たにがわだけ)は群馬県と新潟県の県境(上越国境)にある山で、山頂はトマノ耳(標高1,963 m)とオキノ耳(標高1,977 m)からなる双耳峰だ。日本百名山の一座に名を連ねているほか、新日本百名山、ぐんま百名山、越後百山、新潟100名山、関東百名山、日本百霊山、甲信越百名山など様々なエリア分け百山にも選出されるランドマークだ。
雄大な景色を望め、毎年多くの登山者が訪れる人気の山だが、「魔の山」という異名も持つ。谷川岳の東側はマチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ倉沢が迫力の大岩壁を成しており、日本三大岩場の一つとして多くのクライマーが憧れる地になっているが、死亡者数が多くギネス世界記録に認定されるほどだ。
そんな二つの顔を持つ谷川岳だが、ロープウェイを利用すれば首都圏から日帰りで登ることが可能で、紅葉を楽しむのにもちょうどいい。今回はそのルートを紹介したい。
■ロープウェイ利用で約2時間短縮! 天神平駅から目指す谷川岳
関越自動車道・水上ICから約25分でロープウェイ乗り場、土合口駅(どあいぐちえき)に到着することができる。筆者が訪れたのは、2023年の10月の中旬。晴れていれば高速道路からも谷川岳の雄大な姿を望むことができるため、登山口に到着する頃にはワクワクした気持ちになっていた。谷川岳の紅葉は例年9月下旬〜10月下旬で、ブナ、イロハカエデ、ヤマザクラ、ミズナラ、ナナカマドなどが一斉に色づく。
ロープウェイの天神平駅へは片道約15分、大きな谷底を流れるせせらぎと、時おり見つけるハイカーの姿に、まさに空中散歩をしている気分になれる。麓から登山道も延びているが、所要時間は登りで約2時間はかかるため、ロープウェイの利用で1時間45分の短縮が可能だ。秋になると急速に日照時間が短くなるため、紅葉時期はロープウェイ利用で時間に余裕をもたせた計画を立てたい。
■紅葉の樹林帯を抜けて目指すは肩ノ小屋。雄大な景色の後押しをもらい急登を登る
到着する天神平駅ですでに標高は1,300m地点だが、谷川岳山頂までの道のりは決して楽ではない。序盤は起伏の穏やかな樹林帯が続き、中盤から山頂へかけては急登区間となる。滑りやすい区間や岩場の区間もあるため、しっかりとした登山装備が必要だ。気温も下界と比べてグッと下がるため、防寒着やグローブも忘れないようにしたい。
山頂に向けてスタートするとさっそく色づいた木々が迎えてくれる。起伏は穏やかなため、ペースを落とし、紅葉を楽しみながらウォーミングアップしていこう。
熊穴沢避難小屋(くまあなさわひなんごや)を過ぎたあたりから勾配は徐々に急になり、登山道にはゴツゴツとした岩が目立つようになってくる。ここからグングン標高を上げていくと同時に視界も開けてくるため、急な区間だが眺望を楽しみながら登れる。