車中泊向きの車を考えるとき、室内の広さや荷物の積みやすさ、就寝時の快適さは気になるポイントである。プジョー・リフターは、国産ミニバンやSUVを検討している人にとっても比較対象になりやすいモデルだ。わが家では実際にリフターで車中泊をしているが、使ってみると車中泊に向いていると感じる点が多く、そのうえで快適に使うには少し工夫するとよい場面もあった。今回は、車中泊しやすい車を探している人にも参考になるよう、リアルな使い勝手を紹介する。

■車中泊してまず感じるのは、車内の広さと荷物の積みやすさの重要性

車中泊では、寝ることだけでなく荷物の出し入れや過ごしやすさも重要である

 プジョー・リフター(以下、リフター)で車中泊をしてまず感じたのは、車内に余裕があることだ。天井が高く、側面の張り出しが少ないため、車内空間を広く感じやすい。車中泊では、ただ横になれればよいというわけではなく、実際には着替えたり荷物を整理したり、就寝前にくつろいだりと、車内で行う動作は意外と多い。そう考えると、高さや広さは快適性につながりやすいポイントだと感じる。

 以前乗っていたトヨタ・ウィッシュは、普段使いには十分便利だったが、そもそも車中泊を考えて選んだ車ではなかったため、就寝スペースや荷物の置き場を確保するには工夫が必要だと感じていた。サイズを比較してみると、全高はウィッシュが1,590〜1,600mmに対し、リフターは筆者の5人乗り仕様で1,855mm。全幅はウィッシュが1,695〜1,720mmに対し、リフターは1,850mm。だが実際には、この寸法の差以上に圧迫感のなさや室内の広さを実感している。

 もうひとつ助かるのが、荷物の積みやすさである。リアゲートの開口部が広いので、荷物の出し入れや整理がしやすい。積み込む際に乗り込んだりする動きも比較的しやすいため、寝具やアウトドア用品など大きめの荷物も積み込みやすいのだ。

 車中泊と合わせてアクティビティもいろいろ楽しみたい人にとって、積載性のよさは重要な要素になるのではと感じる。

■就寝スペースはつくりやすいが、快適に使うには工夫も必要

マットやベッドキットを使うと、就寝スペースの快適さはかなり変わる

 さて、次は肝心の寝床である。リフターには、正規ディーラーのオプション品としてベッドキットが用意されている。わが家では車の購入時にこの「agre(アグレ)ベッドキット」を一緒に注文した。選んだのは肌触りのよいプレミアムモケット生地を使用したタイプだ。走行時は後部荷室に畳んで収納し、就寝前に2列目シートを倒して設置するひと手間は必要になるが、フラットな就寝スペースをつくりやすいのは大きな魅力だ。筆者はその上にさらにマットを敷いて、寝心地を高めている。

 多くのユーザーが寝床を平らにすることには苦心するので、はじめからこうした車種専用ベッドキットが用意されていると、車中泊のハードルはグッと下がる。

 親子3人で寝ることは可能だが、ただ少しでも就寝スペースに余裕を持たせ、かつスムーズに寝床に就くには、あらかじめ荷物の置き場を考えておく必要があると感じている。ベッドキットを設置すると、2列目以降はほぼ全面がベッドになるため、就寝前後に用いる物を置ける床面は限られる。筆者の場合、最後に脱ぐ靴は運転席や助手席の足元に置き、細かい荷物は収納ケースにまとめ、就寝前にベッド下へしまうようにしている。今も、より使いやすい置き場所や方法を試行錯誤しているところだ。

 一方で、ベッドキットによってフラットな空間を確保しやすい点は、やはり大きな魅力である。後部シートや荷室を寝床として使う車中泊では、平らな床面をつくれるかどうかが快適さを左右しやすい。その点、何度も寝転んでマットの傾きを細かく調整したり、大がかりなDIYをしたりしなくてよいのは助かった。