■神話が息づく「高千穂峰」
霧島山の第二峰となるのが、標高1,573mの「高千穂峰」。天孫降臨伝説が残る霊峰であり、山頂に「天逆鉾(あまのさかほこ)」が刺さっていることで有名だ。また、坂本龍馬と妻お龍が登ったハネムーンの山としても知られている。
高千穂峰も鹿児島県と宮崎県に登山口が点在し、最短でピークを目指せるのが西麓に位置する高千穂河原登山口(鹿児島県霧島市)。かつて霧島神宮が鎮座していた古宮址(ふるみやあと)がある場所で、ここから高千穂峰の登山道に入ることができる。バス停や駐車場から「高千穂ビジターセンター」に向かうと鳥居があり、くぐって古宮址に続く参道を進み、右折して自然研究路に入ると高千穂峰に繋がるコースが続いている。
森を抜け、茶褐色のガレ場の急斜面を登りきると、御鉢(おはち)という直径600mの火口のふちに着き、このあたりにミヤマキリシマが多く自生し、開花時期は山肌をピンクに染めあげる。「馬の背」と呼ばれる火口のふちの狭いコースを進み、脊門丘(せとお)という鞍部に下りたら、ピークに向かう登りが続く。
山頂の見どころは、突き刺さった青銅製の「天逆鉾」。開放的な山頂ではパノラマビューが楽しめ、新燃岳、韓国岳などの霧島山を形成する連山、薩摩半島と大隅半島に挟まれた錦江湾、どっしりとした桜島など、霧島錦江湾国立公園の豊かな自然風景を一望できる。
<おすすめルート>
【高千穂峰】
高千穂河原登山口 → 御鉢 → 高千穂峰 → 高千穂河原登山口
(所要時間:約3時間30分)
■「中岳中腹探勝路」と「鹿ヶ原」
高千穂河原から中岳に向かうコースもあるが、現在(2026年5月)は新燃岳の火山活動による影響で山頂までの立ち入りは規制されている。中岳の中腹はミヤマキリシマの群生地として知られ、高千穂河原ビジターセンターの横から「中岳中腹探勝路」を登ってその群生地まで行くことが可能だ。
また、登山をせずにミヤマキリシマを楽しみたい人は、「鹿ヶ原(しかがはら)」の散策がおすすめ。高千穂河原のバス停や駐車場から歩いて15分ほどの距離にあり、高い木がない平坦な場所にミヤマキリシマの群生地が広がっている。鹿ヶ原には通路が整備され、高千穂峰や中岳を眺めながら花の中をめぐれるのが心地いい。
<おすすめルート>
【中岳中腹探勝路】
高千穂河原 → つつじコース分岐 → 中岳探勝路終点 → 高千穂河原
(所要時間:約1時間30分)
【鹿ヶ原】
高千穂河原 → 鹿ヶ原 → 高千穂河原
(所要時間:約50分)