首都圏では桜の季節も過ぎ、本格的な春が訪れている。過ごしやすい気候になり、晴れた日には外へと出かけたくなる陽気だ。アルプスの残雪がまだ深い季節、「そろそろ山に行きたい」と感じたら丹沢・鍋割山(なべわりやま)がおすすめだ。
往復約16km、累積標高差1,200m超。数字だけ見ると手強いが、舗装路から始まり序盤は体を慣らしやすく、山頂では鍋焼きうどんと富士山の絶景が迎えてくれる。夏のアルプスに向けた足慣らしとして、あるいは「丹沢を本気で歩いてみたい」といった挑戦ルートとして、ぜひ候補に入れてほしい山だ。
■丹沢の盟主たちに隠れた名山・鍋割山
鍋割山は標高1,272mの山で、神奈川県の中では黍殻山(きびがらやま)と並び13番目に高い山だ。日本二百名山、三百名山などに選出はされておらず、丹沢を代表する丹沢山(たんざわさん)や蛭ヶ岳(ひるがたけ)、塔ノ岳(とうのだけ)、大山(おおやま)に比べると知名度は低く感じるかもしれないが、山頂から望む景色は絶景。
山頂には山小屋もあり人気の山だが、道のりは楽ではない。今回紹介する大倉バス停からの距離や累計標高差は北アルプスの山々のコースに匹敵する。夏のアルプス山行に向けたトレーニングとしても最適な山だ。
■大倉バス停から後沢乗越を経由し、鍋割山へ
スタート地点となる大倉バス停は都内からのアクセスもしやすく、マイカーなら1時間30分もあれば到着できる。バス停周辺には有料駐車場があるため、そこを利用するといい。公共機関で向かう場合、小田急線・渋沢駅からバスが出ている。
大倉バス停と鍋割山の往復の所要時間は約7時間30分。春になり日が長くなってきたとはいえ、長い行程になるため早朝の出発が望ましい。
大倉バス停から舗装路を歩き、後沢乗越(うしろさわのっこし)までは約2時間30分。舗装路だった道は林道になり、勾配が急になるが序盤は道幅も広く、危険箇所も少ないため歩きやすい。冬の間、足を休めていた人はペースを意識しながら感覚を取り戻すといいだろう。シーズンはじめは足が登山靴に慣れていないこともあり、シューズ内のトラブルにも注意したい。