キャンプ初心者にとって、最初のナイフ選びは大いに悩ましいが避けて通れない課題だ。本格的にキャンプをするならば、1本は欲しいところ。現地調達した木の枝・薪などの木材を使用するブッシュクラフトや料理などで、できることの幅が広がりキャンプをより楽しめるだろう。
著者もまた、10年前にさんざん迷った挙句、スウェーデンを代表するナイフブランド「モーラナイフ」にたどり着き、現在も愛用している。これを選んだ理由とアウトドアシーンでさまざまな経験から、使用するコツについて紹介する。
■剣鉈(けんなた)が欲しかったが、悩んだ末にモーラナイフにした理由
本格的にキャンプを始めてすぐに、食材やロープ、食品の外装などを切るために手ごろなサイズの刃物が必要と感じたが、あまり道具を増やしたくなかった。いろいろな種類を検討するうちに、両刃の剣鉈があればオールラウンドに使用できると知ったが、それなりに値が張るため購入を躊躇していた。
そこで剣鉈の代用になるもの、例えば大型のハンティングナイフや中南米で農作業などに使われている大型の山刀「マチェーテ」などを調べていたところ、たまたま目に入ったのがスウェーデン王室御用達のモーラナイフの情報だった。口コミの評判は上々で、リーズナブルなので試しに使ってみるのに最適だと思われた。
数ある種類の中から最終的に「コンパニオン・ヘビーデューティー」に決定した。もともと剣鉈のように薪割りから料理まで使える刃物を探していたため、ナイフで薪を割るバトニングが可能なものを選択した結果である。
●モーラナイフ「コンパニオン・ヘビーデューティー」の特徴と材質によるメリット・デメリット
ヘビーデューティーは頑丈で、コンパニオンシリーズの中でも刃が3.2mmと厚く、バトニングも問題なく可能だ。ブレードの鋼材にはステンレスとカーボンスチールの2種類がある。
ステンレスのメリットは錆びにくいので手入れが楽なことだが、やや価格が高い。一方カーボンスチールはステンレスより頑丈で切れ味がよいが、最も注意が必要な点は錆びやすいことだ。濡れたままにしておくと、赤錆びが発生するので、水分は厳禁。ただし、もし錆びてしまっても砥石で砥ぐとすぐ元通りになるし、食用油などの適当な油脂を塗っておくと錆びつきは防げる。
著者はメリットがデメリットを凌駕するものと判断し、カーボンスチールを選択した。
■薪や枝などの加工作業での使い勝手は最高
実際の使用感を紹介しよう。3.2mmの刃厚により、バトニングは乾いた薪であれば気持ちいいほどに割れるが、刃渡りが10cmほどしかないので、それより直径が太い薪には向いていない。ホームセンターなどで安く手に入る針葉樹の細い薪であれば問題ないだろう。
また薪などを薄く削ってフェザースティックという着火材に加工するのも、切れ味のいいモーラナイフの得意とするところだ。このように木を加工する場面では使い勝手がよい。