●展望の良い尾根道。大平山で富士川と駿河湾の広がりを味わう
金丸山からの稜線は徐々に広がりを見せ、明るく開けた尾根が続く。低山でありながら縦走らしい高揚感が味わえる区間である。
振り返ると眼下に富士川が蛇行し、遠くに駿河湾の青が浮かぶ。高度が上がるにつれ富士山の存在感はさらに増すことだろう。
大平山の山頂は稜線上のふくらみのような場所で、樹林越しに周囲の山並みを見渡せる。ここから先、大久保山(おおくぼやま・標高565m)へかけては静かな森が続き、表情ががらりと変わる。
稜線は再び深い森になり、大久保山周辺は静けさの際立つ区間となる。森の中の登山道は落ち葉が積もって足場が柔らかく、冬でも凍結の心配は少ない。
やがて木々が途切れ始めると、視界の先に左から駿河湾、そして右から巨大な富士山が姿を現す。歩を進めるごとに景色が切り替わっていく贅沢なエリアだ。大丸山は富嶽三十六景にも描かれている名所で、駿河湾と富士山が同時に見える絶景スポットである。冬の澄んだ空気が遠くまでクリアに見渡せる、ルート最大のハイライトである。
●海と富士山の余韻を抱えながらキャンプ場へ下る締めの道
大丸山からは、4座を踏破した充実感を味わいながら来た道を戻る。時折、樹林の隙間から駿河湾が見えると名残惜しく足を止めてしまう。
復路では、歩いてきた尾根の形がよく見え、4座をつないだ軌跡を視覚的に振り返ることができるのが面白い。
■冬に最適な4座縦走と絶景を楽しむ静岡低山ルート
冬でも歩きやすい静岡低山で4座を巡り、富士川・駿河湾・富士山の大展望を満喫する縦走コースを紹介した。キャンプ場発着で利便性が高く、キャンパーにとっては、キャンプ+登山の魅力を味わえる充実したコースだ。ぜひ冬の澄んだ空気のもと、駿河湾と富士山の絶景を堪能してほしい。