近年、この時期に話題になる登山ウェアが「アクティブインサレーション」。行動中に着っぱなしでも暑すぎず、立ち止まった時には汗冷えを抑える優れものです。気になってはいるけど、物価高でなかなか手が出せない方も多いのではないでしょうか?

 アクティブインサレーションは、天候はもちろん、用途や体質によって合う合わないがハッキリしているウェアでもあります。そこで、今回はこのアクティブインサレーションの特性を試してみるのにぴったりな、手にとりやすい価格帯の2着を用意して比べてみました。

 ティゴラは3,999円、ワークマンはなんと1,280円と試しやすいお値段です。

圧倒的なコストパフォーマンスと軽さを誇るワークマンのサーモライトエコモード

1,280円。実測131g(Mサイズ) 。袖や裾が短く普段着のような着用感

 まず、昨年の登場以来、話題を集めているワークマンの激安アクティブインサレーション「サーモライトエコモード」を紹介します。

 使っているのは、メッシュに毛足の長いフリース素材を絡めたような、軽量で通気性に優れた素材です。登山ウェアメーカーが採用するアクティブインサレーション生地「プリマロフトアクティブ」に非常に近い構造を採用しています。

 風が通ると一気に蒸れが解消される通気性や圧倒的な軽さを誇る「プリマロフトアクティブ」と特徴は同じですが、性能的にはやはりやや劣る印象です。それでも、1,280円という価格帯を考えれば文句はありません。

 アクティブインサレーションならではの特性をまず試してみたいなら、最適な製品といえるでしょう。

体を動かすと多少ツッパリ感がある

 重さは131g(Mサイズ)しかなく、非常に軽量です。

 着心地に関しては、個人的には首周りに圧迫感があるなど、激しめの運動時に着るには動きやすさに今ひとつ不満を感じます。しかし、軽めの運動や散歩に使うには十二分。近場のハイキング程度で着るならまったく問題ありません。軽くて暖かいので、部屋着としても出番が増えています。

 着用時の注意点としては、素材の特性上、風が吹くと一気に冷えやすいので、ウインドシャツなどを重ねて防風性を加えるなど、レイヤリング全体で最適なバランスを考える必要があります。

◼️️ポーツ量販店が送り出すグリッドフリースは、かゆいところに手が届く設計 

3,999円。実測285g(Mサイズ)。痩せ型の私にはちょうど良いサイズ感だ

 続いては、大手スポーツ用品販売店アルペンのプライベートブランド・ティゴラの「グリッドフリースジャケット」を紹介しましょう。

 保温性はあるものの行動時には暑くなりやすいのが従来のフリース素材でしたが、このジャケットは適度な保温力と通気性を兼ね備えた薄い部分と、保温力のある厚手の部分を併せ持つグリッド構造の裏地を採用しています。グリッド状にしたことで空気の通りが良くなり、運動時にウェア内が蒸れにくく、吸汗速乾性にも優れています。  

 また、表面はツルッとした質感で重ね着しやすく、耐風性が高いことも見逃せません。単体でも保温しやすいので、寒がりだけど運動したいときにはちょうど良いウェアです。 

こちらはストレッチ性が高く動きやすい

 着丈が若干短く感じますが、スポーツ量販店が企画しているだけあってストレッチがよく効き、動きやすいのもポイントです。重さはMサイズで実測285g。サーモライトエコモードの131gには敵いませんが、十分軽く、コンパクトに持ち運べるアクティブインサレーションと言えるでしょう。