ガソリン価格の高値水準が続き、筆者のようにツーリングを趣味とする人たちからは、燃料費用がかさむという声も多く聞かれる。そんな中ガソリン税の暫定税率廃止へ向けた動きのニュースを目にし、ふと考えた。

 「ガソリン減税の影響で、もっといろいろな場所にいけるようになるのでは?」 今回は、もしガソリン税の暫定税率が廃止されると、ツーリングにどんな影響を与えるのかを検証してみた。ガソリン費用への関心がひろがり、秋の休日プランを立てる手がかりにしていただければ幸いだ。

■全国のアウトドア好きも注目したい、ガソリン税暫定税率廃止法案とは

 ガソリン税暫定税率廃止法案とは、軽油等を除き、現在ガソリン本体価格に上乗せされている1Lあたり53.8円のガソリン税のうち、暫定税率分の25.1円を廃止する法案のこと。施行となれば、どのくらい燃料費負担を軽減できるのか。

 今回は富士山一周ツーリングを通じて富士山外周のおすすめスポットを紹介しながら、減税前後でツーリングの行程にどれほど違いが生じるかを検証してみた。

 なお、今回は次の通り各要素を考慮し、1Lあたり約16.6円がこれまでの支払い費用から減額されると仮定する(改正案が公布されていないため、実際の減額分と差異が生じる可能性あり)。暫定税率分の25.1円の引き下げに対し、燃料油価格定額引き下げ措置としての補助金も同時期に廃止されると見込み、価格が10.0円分引き上げられると予想。しめて15.1円の引き下げとなるが、ガソリン価格はガソリン税額の算定後、別途消費税が計算されるため、現行の消費税率10%にて算出すると、全体で16.1円の引き下げが予想されると推測し、検証をすすめていく。

 検証方法は次の通り。

1. スーパーカブ110を使用し、富士登山吉田ルートのスタート地点とされている、山梨県富士吉田市「金鳥井」周辺のガソリンスタンドから検証をスタート。
2. 富士山を反時計回りで一周後、走行距離・ガソリン消費量・給油料金・燃費を確認。1Lあたり16.6円の減額がなされたと仮定し、同料金でどれだけ多く給油できるかを算出。
3. 給油量の差異分での走行可能距離を燃費から計算。なお、スーパーカブ110の燃費性能はカタログスペックで67.9km/Lとされている。算出された距離分、富士スバルラインを走行し、富士山何合目までいけるかを検証。