豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山やキャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、「WILD-1ゆめが丘ソラトス店」のキャンプ担当、中山裕麻さんに「防災にも役立つアウトドアアイテム」をテーマに「携帯型ラジオ」のおすすめを挙げていただきました。

■防災用途としてラジオはとても重要な存在

 2025年はラジオ放送開始から100年ということもあり、最近特にラジオ人気が高まっているように感じます。ラジオはエンターテインメントであり、日常の情報源であり、また心の拠り所でもあり、非常に多くの人に長く愛され続けています。

 また、防災用途としてもラジオは推奨されています。非常時は常に最新の情報が欲しくなりますから、手軽に確実な情報が得られる手段として、ラジオはとても重要なメディアなのです。

 そのラジオ放送も、いまは「radiko」などのスマホアプリで聴くことができます。でも、屋外で聴く場合、通信量やバッテリーの減りが気になる人もいるでしょう。そこで役立つのが、携帯型の単体ラジオ。中山さんがおすすめするのが、リラックスというブランドの「エマージェンシーカラビナラジオ」です。

携帯型ラジオのリラックス「エマージェンシーカラビナラジオ」

■コンパクトなラジオでリアルタイムに情報入手

 「エマージェンシーカラビナラジオ」は、幅53mm×奥行き158mm×高さ49mmという片手でラクに持てるコンパクトさ。重量も約220gと軽く、「持ち手部分がカラビナになっているので、バッグやベルトなどにぶら下げて気軽に持ち歩けます」(中山さん)

持ち手部分がカラビナになっているのでぶら下げも可能

 ラジオのメリットは言うまでもなく、最新の情報がリアルタイムに得られるところです。どこにいても、スイッチを入れればすぐに聴ける手軽さがうれしいですね。

 もちろんスマホも、情報収集や連絡手段として気軽に使えますが、タイムラグが問題になる場合があります。また、通信に障害が発生したり、先にも述べたようにバッテリー消費の問題もあります。

 「非常時は、自分が通信するというよりも、ラジオで情報を入手して、いまどういった状況なのかを知ることが一番大事だと思います。だから、携帯型ラジオが必要なんです」(中山さん)

■周波数帯域も十分! ライトやSOSアラームも装備

 実際、アウトドア向けの携帯型ラジオは、防災用途も考慮されていて、いざというときに役立つ多彩な機能が搭載されています。

 まず、ラジオはFMが「76-108MHz」、AMが「522-1656KHz」、SWが「2.3-22MHz」に対応していて、国内で利用するには十分な周波数帯域です。SWというのは「短波放送」のことで、電波が遠くまで届くという特性があり、災害時には防災用の情報伝達にも使われているそうです。海外からの情報が得られる場合もあります。

国内で利用するには十分な周波数帯域を確保

 「また、ライトも装備しているため、周囲が暗くなったら懐中電灯として利用可能です。非常時に鳴らせるSOSアラーム機能も装備しています」(中山さん)。SOSは、サイレンが鳴ると同時にライトが点滅する仕様です。周囲に非常事態を知らせてくれるのは心強いですね。

暗くなったらライトが使える

 もうひとつ便利なのが、モバイルバッテリー機能です。手持ちのモバイルバッテリーが使えないときなど、緊急時にはこのラジオからスマホを充電できるのも安心です。