ホンダのスーパーカブシリーズは世界中で大人気だ。1958年の「スーパーカブ110C」発売以降、業務用として活躍を続けるバイクだが、近年ではアウトドアの相棒としても広く愛されており、筆者もスーパーカブ110でソロキャンプを楽しむ一人である。
今回は、スーパーカブシリーズが長く愛され続ける理由とともに、アウトドアスタイルの「クロスカブ」の魅力や、おすすめのカスタムパーツについて紹介する。
■スーパーカブシリーズがキャンプやツーリングで愛される理由とは
排気量が125㏄を超えるバイクは高速道路を走ることができるので、長距離走行でもパワフルに多くの荷物を積んで走れるが、一般的には原動機付き自転車と比べて本体価格や維持費の面で費用がかさむ。
コスパに優れた原動機付き自転車は一種と二種に分けられており、車名に50がつくスーパーカブは一種、110や125などがつくものは二種に該当する。
原付二種の中でもスーパーカブシリーズをおすすめしたい最大の理由は燃費のよさだ。筆者の愛車「スーパーカブ110」は、走行距離10,000km超にもかかわらず、いまだに1Lあたり約50km走行する。ガソリンスタンドの少ない地域を走る際、燃費のよさは大きな安心につながる。
荷物がたくさん積める点も大きな強みだ。小型モデル「リトルカブ」でさえも、テントや釣り用具が積載可能なほどの、比較的大きめなリアキャリアを標準装備している。
他にも、クラッチレバーによる操作(エンジンの動力をタイヤに伝えたり、遮断したりする操作)がないぶん、運転難易度が低いことや、日本に広く普及しているからこそ、旅先のバイク屋や自転車屋でメンテナンスの対応を受け付けてもらいやすい点も嬉しい。燃費と、荷積み能力の高さ、操作性、安心感など、多くの利点が「アウトドアの相棒」として支持される理由だ。
■「クロスカブ」はアウトドアスタイルを導入した1台
スーパーカブシリーズの原点であるスーパーカブをベースに、アウトドアスタイルを強めたバイクが「クロスカブ」だ。同排気量におけるスーパーカブとの主な違いは、タイヤ幅と悪路に対する性能。
スーパーカブと比べてタイヤ幅の太いクロスカブは、坂道や凹凸のある道路の走行時に、力強さや頼もしさを感じるという声が多い。
また、現行の110ccモデルである8BJ-JA60(2022年式~)モデルは、スーパーカブ110と比べ車体の高さが顕著に異なり、地面からエンジン下部までの高さもあるぶん、道路上に落ちた木の枝や小石の影響も受けづらい。さらに、セミブロックタイヤ(タイヤの突起が独立しているタイヤ)が標準装備され、路面をしっかりグリップしながらも、砂や小石を溝から掻き出して走行できる。
クロスカブが、山道や不整路を走行したときの安定感は、これらの違いに起因している。