豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山やキャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、「WILD-1 ゆめが丘ソラトス店」のキャンプ担当、中山裕麻さんに「防災にも役立つアウトドアアイテム」をテーマに「ハンディ型浄水器」のおすすめを挙げていただきました。

■いざというときに備えて持っておきたい小型浄水器

 アウトドアで活動していると、思いがけない事態に遭遇して行動が制限されてしまうこともありえます。場合によっては、長時間、その場から移動することができず、水分や食料などの補給に支障が出ることも考えられます。

 水や食料が足りていればまだ安心ですが、もし不足してしまった場合は、何とか対応策を考える必要があります。特に、水分の補給は命をつなぐためにも欠かせません。でも、手持ちの水がなくなったとすれば、自然に頼るしかないですね。

 「そういった事態に備えて、持っておくと安心なのが携帯型の浄水フィルター、Sawyer(ソーヤー)の『ソーヤー ミニ SP128』です」(中山さん)

■水中の細菌や微生物、寄生虫を99.99999%除去

 ソーヤーは、携帯型の浄水フィルターで有名なアメリカのブランドで、アウトドアや災害時に役立つさまざまな製品を製造しています。この「ソーヤー ミニ SP128」は、手のひらサイズの本体に浄水フィルターが装備されたモデルです。

 「この本体のフィルターに水を通すことで、汚れた水をろ過することができます。フィルターに無数にあいた0.1ミクロン(マイクロメートル)の穴で、有害な物質を取り除いてくれます」(中山さん)

フィルターで浄化された水が先端から出てくる

 水の中の細菌や微生物、いま話題のエキノコックスなどの寄生虫を99.99999%除去するとうたわれていますので、その性能はかなりのもの。ただし、水に溶けているカルシウムやマグネシウム、放射性物質、化学物質が溶け込んでいる可能性のある水など、除去できない物質もあるので、あらかじめ取扱説明書で確認しておきましょう。

■付属のパウチやペットボトルで手軽に飲める

 「ソーヤー ミニ SP128」を使うときは、付属のパウチ(約0.5L)に浄水したい水を入れて、先端に本体を取り付けるだけ。あとは、そこから直接飲めばOKです。

付属のパウチに本体を取り付けてそのまま飲める

 「実は、ペットボトルに付けて使えるのが、この浄水器の推しポイントなんです」と中山さん。本体を接続するスクリュー部の形状や口径が合っていれば装着可能。ペットボトルはぴったりサイズなので、より手軽に利用できますね。

ペットボトルに取り付けてもOK

 このほか、付属のストローを使ってコップからも飲めますし、バックパック用のハイドレーションシステムにも対応しているので、幅広い場面で活用することができます。