■コペルニクス的発想、最高に簡単な裏ワザ「ハイブリッド焼き」

 インターネットで見つけた焼き方3つを試してみたが、焼き上がりは似たり寄ったりで、多少皮の剥がれはあるが、どれもまずまずといったところ。しかし、焼く過程で火力と焼き加減に常に注意を払い、頻繁に網の位置を調整する必要があり、正直手間がかかった。

 一方、それぞれの方法で挙げたデメリットである、時間がかかる、作業が多い、道具が増えるなどを克服するべく、筆者が発見した「ハイブリッド焼き」で使用するのは、フライパン用アルミホイルだ。片面がシリコンコーティングされており、焦げ付きやくっつきを防いでくれるアイテムだ。

●炭火との相性が最悪なアルミホイル。しかし、穴をあけると……

網にのせたフライパン用アルミホイルに無数の穴をあける

 そもそも、炭火とアルミホイルは相性が悪い。アルミホイルが炭火の遠赤外線を反射して、食材に火が通りにくくなるからだ。だが、網に敷いたアルミホイルに割り箸などでプスプスと無数の穴をあけるとどうだろう。満遍なく穴をあけてサンマをのせ、火にかけてみた。

●ほどよく脂が落ちて、そしてくっつかない! ひっくり返すのも簡単なハイブリッド焼き

フライパン用アルミホイルに穴をあけると、こんがり焼けてひっくり返すのが簡単!

 この方法だと、アルミホイルの穴から炭火の熱がサンマに直に当たって焼ける。しかも網にくっつかないので、ひっくり返すのが容易、焼き加減を確認するのも簡単だ。さらに、浸み出た脂はホイルの穴からほどよく落ち、皮がパリッと焼ける。

 注意すべき点は、炎が燃え上がって穴を通り抜け、引火しないようにすること。そのため火と網の距離の調節が重要だ。もう一つはフライパン用アルミホイルの裏表を間違わないようにしよう。シリコンコーティングされた面を炭火側にするとシリコンが燃えてしまうので要注意。

フライパン用アルミホイルの穴からほどよく脂が落ち、皮に焼き目がつく

■鉄板焼きと炭火網焼きのいいとこ取り! ハイブリッド焼きの完成

ハイブリッド焼きで焼いたサンマ。焼き目もついておいしそう

 サンマの皮が剥がれず、フライパン用アルミホイルに穴をあけたおかげで、おいしそうな焼き目と炭火焼き特有の香ばしい香りが広がった。網でくっつかないように焼くには時間と手間がかかり、鉄板焼きの要領でアルミホイルで焼こうとすれば、遠赤外線が遮断されて火が通りにくくなり、焼き目がつかない。

 そこで、アルミホイルに穴をあけることにより、鉄板焼きと炭火焼きのいいとこ取り、「ハイブリッド焼き」が実現する。最大のメリットは簡単にひっくり返せる点だが、網の汚れが少なく、後片付けも楽な点もメリットと言えるだろう。

■秋の味覚サンマをハイブリッド焼きでおいしく焼いて堪能しよう

 ハイブリッド焼きは、フライパン用アルミホイルに穴をあけるだけなので、今回試した他の3つの焼き方のデメリットを克服しているといってよい。この秋はキャンプやバーベキューで、安くておいしいサンマを手軽に味わってみてはいかがだろうか。