釣りは自然と「向き合うこと」も「のんびりすること」もできる最高の時間である。しかし残念なことに、釣り場にはマナーを守らない人も存在する。筆者自身、実際にそうした現場に遭遇した経験があり、せっかくの釣行が台無しになったこともある。

 当記事では不快な思いをした実体験を3つ紹介し、釣りをより快適に楽しむために、なぜマナーや意識向上が欠かせないのかを考えてみたい。

■悪質! 釣り場にゴミを放置する人

放置されたゴミはいつまでも残ってしまう

 朝のゴールデンタイムが終わり、周囲の釣り人が帰った後、足元にはビニール袋、空き缶、タバコの吸い殻が散乱。そんな光景を目にしたことはないだろうか?  さらには仕掛けの針がそのまま放置…… 後々のことを全く考えていない、悪行である。

 ゴミの放置はケガの危険性や景観を損なうだけでなく、海に流れると魚や海鳥が誤飲し、環境にも深刻な影響を与える。実際、漁港管理者が清掃に苦労し、結果として「この堤防は全面釣り禁止」となった例を耳にしたことがある。釣り場が閉鎖されると最も困るのは釣り人自身である。釣りを楽しむ以上、ゴミを持ち帰ることは最低限のマナーであり、続けたいなら全員が徹底しなければならない。

■周囲を確認せずにするキャスティングが危険!

全員が安全に楽しむためにマナーを守ろう 

 「仕掛けやルアーを遠くまで飛ばしたい」と大きく振りかぶったキャスティングをしてしまうことがある。以前、堤防での釣行中、釣り人の振りかぶったルアーが筆者の肩すれすれを横切ったことがあった。また筆者自身、後ろを見ずに振りかぶったルアーで同行者の帽子を引っ掛けてしまった経験もある。あと数センチずれていれば、大ケガになっていたであろう危険な行為だ。今でも思い出すとゾッとする。

 週末や人気ポイントでは釣り人が密集するため、事故の可能性が高まる。万が一、ルアーや仕掛けが子どもや通行人に当たれば、取り返しのつかない事態となる。釣りは自己責任の遊びであると同時に、他者の安全に配慮する義務があることを忘れてはならない。キャスティング前の周囲の確認はほんの数秒で済む。だが、その数秒を怠ることで釣り場全体の雰囲気を壊してしまうのである。