ルアーのカラーの種類はあまりにも多岐にわたり、多くのアングラーを悩ませる要素の一つといえるだろう。

 筆者も「ルアーカラー沼」にハマったアングラーの一人であり、海や渓流のルアーフィッシングの経験が10年を超えた今もなお、悩むことがある。

 今回はいくつかの種類の釣れると言われているルアーカラーを紹介し、それらに期待する効果とともに、状況に応じた使い分けについて考えてみよう。

■王道のナチュラル系カラー

一口にナチュラル系といってもいくつも種類がある

 まず紹介するのはナチュラル系カラー。ベイトフィッシュに近い色合いから「ベイトライク」などとも呼ばれる。ベイトとは釣りのターゲットとなる魚が捕食している獲物のことで、代表的なものではイワシやワカサギ、稚アユなどのことだ。

 海のルアーフィッシングでナチュラル系カラーといえば、背中が青色や黒色、側面にキラキラと反射するようなカラーリングが施されているのが定番だ。

 反射にも種類があり、大きく分けると小魚の鱗を模した「キラキラ系」と、鏡のように面で反射する「メッキ系」の2つに分けられる。筆者はこの反射がとても大事だと考えている。

 キラキラ系は魚を騙す効果が高く、メッキ系は強い反射光を遠くまで届けられる効果があると推察している。

 筆者は視認性のよいクリアウォーターや日中の釣りではキラキラ系、濁りのある状況や夜間はメッキ系という使い分けをしている。

■よく目立つチャート・パール系

実際の小魚とは似ても似つかない色だが、これがまた釣れるのだ

 チャート系は黄色や緑色などの派手な蛍光色、パール系は白を基調とした膨張色のこと。この2つを組み合わせた「チャートバックパール」というカラーリングは、あらゆるルアーでラインナップされる定番カラーとなっている。

 このカラーが活躍するのは主に夜間だ。光がほとんどない夜の海でも、チャートバックパールの非常に目立つカラーリングは、魚にルアーの存在を気づかせる効果に期待ができる。

 また、ナチュラル系の一部分にチャートのカラーリングを施したルアーは、釣り人からの視認性を高めるためのものである。

 渓流の白泡立つ瀬などでもルアーの所在を把握でき、流れの筋のどの辺りを泳いでいるかや、ルアーを追う魚を確認しやすくするといった効果がある。

■実は一番目立つ?  黒系

渓流などで流下する川虫を模した、ナチュラル系ともとれる黒色もある

 続いて紹介するのは黒系のカラーだ。黒系のカラーにもあらゆる組み合わせがあり、ルアー全体が真っ黒なものや、全体的に黒いカラーリングの中にもナチュラル系の反射面を取り入れたものもある。

 カラーの名称にブラックという単語が入っていたり、パッと見て全体的に黒っぽければ黒系と呼んでよいだろう。

 濁りや白泡の中、さらに暗闇であってもシルエットをくっきり魚に見せられるのが黒系。実は黒系こそがあらゆるカラーの中で最も目立ち、魚へのアピールが強いのではないかと筆者は考えている。ルアーケースには必ず黒系のルアーを入れており、実際に多くの釣果を引き出しているカラーである。