■ボートから望む360度の紅葉体験

紅葉狩りというと遊歩道や登山道から眺めるイメージが強いが、丸沼ではボートに乗って湖上から眺める紅葉が格別である。湖面に赤や黄の木々が映り込み、風に揺れる水面とともに幻想的な景色をつくり出す。ボートに揺られながら釣り糸を垂らしていると、あまりの美しさに思わず見とれてしまうこともある。

湖上からは視界を遮るものがなく、360度のパノラマで紅葉を楽しめるのも大きな魅力である。静寂の中に鳥の声や風の音だけが響く環境で、紅葉と釣りを同時に楽しむ時間は、他では味わえない贅沢な体験となるだろう。
■ワカサギの群れを探す楽しみ! 丸沼の宝探し

丸沼は昔から「鱒釣りの聖地」として知られているが、秋のワカサギ釣りも静かな人気を集めている。ただし、ここは一般的なワカサギ釣り場のように係留ロープでポイントを示したり、釣れる場所までボートを曳いて案内してくれるようなサービスはない。釣り人自らが釣れるポイントを探す必要があり、その探索こそが丸沼ならではの醍醐味で、まるで宝探しをしているかのような楽しさがある。
もっとも、丸沼はそれほど大きな湖ではなく(周囲長3.5km)、魚影も濃いため、「魚群探知機(以下、魚探)」さえあれば、ワカサギの群れを見つけるのはそれほど難しくない。アンカー(湖上でボートが風で流されないようにするためのおもり)でボートを固定し、市販のワカサギ専用の胴付き仕掛けを投入するシンプルな手順で釣りが成立する。エサはサシを使い、枝針の数は5~7本程度が絡みにくく扱いやすいだろう。


こうしたスタイルから、丸沼は「ワカサギ釣りをより深めたい人」や「静かな環境で自分のペースで釣りを楽しみたい人」に向いたフィールドである。
●ワカサギ釣りで使用したタックルと道具
【タックル】ワカサギ用の胴付き仕掛け
ロッド:エリアトラウト(管理釣り場)用のスピニングリール竿1.8m
リール:小型の汎用スピニングリール1000番
ライン:PEライン0.4号 100m
仕掛け:市販のワカサギ用胴付き仕掛け2.5号(ハリ数は10本)
オモリ:ナス型オモリ3号(11.3g)
エサ:紅サシ
【その他の道具】
魚群探知機:スマホと連動するタイプを使用
アンカー&アンカーロープ:ボートが流されないようにするためのオモリ
ライフジャケット:水難事故防止のため着用が義務付けられている。環湖荘で貸し出しあり
クーラーボックス:飲み物やお弁当、釣った魚を入れておく
保冷剤:クーラーボックス内を冷やすためのもの
脚立:ボート内で座席として使用(高さ30㎝ほどの1段タイプがおすすめ)
クッション:脚立に乗せて使用。長時間座っていてもお尻が痛くならない
ロッドホルダー:ロッドを支える道具。これがあると両手が自由に使える
尻手ロープ&ベルト:ロッドの落水を防ぐ道具
ランディングネット:ニジマスなど大型魚が釣れた場合のネット
水汲みバケツ:ワカサギを一時的に入れておく
ジップロック:ワカサギを家に持ち帰る際に使用
エサ入れ:紅サシを入れる容器
軍手:ボートを固定するアンカー(おもり)を上げ下げする際に使用
タオル:濡れた手を拭うため。何枚か用意しておくと良い


■狙うは食べ頃の10cm超え! 秋の丸沼で釣れる良型ワカサギ

紅葉シーズンの丸沼では、10cmを超える良型のワカサギが狙える。水温が下がり始める時期は群れがまとまりやすく、魚探の反応も出やすい。仕掛けを落とせば小気味よいアタリが竿先を震わせ、群れに当たれば同時に多数匹が掛かる「鈴なり」になることも珍しくない。

秋に釣れるワカサギのうち、7cm前後のやや小ぶりな個体は今年の春に生まれた当歳魚で、10cmを超える良型サイズは前年の春に生まれた個体と考えられる。筆者の印象では、大型の個体は水深20m近くのやや深い場所に多いように感じる。銀色に輝く丸沼産のワカサギは姿も美しく、数釣りの楽しさに加え大型の手応えを味わえるのが秋ならではの魅力である。