■世界遺産「熊野古道」とは?  なぜ和歌山の熊野古道が注目されているのか??

 「熊野古道」は、京都をはじめ各地から紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)へと続く参詣道です。

古の路の趣を残す熊野古道 中辺路(画像提供:和歌山県観光連盟)

 大自然に囲まれた熊野の地は、古くから神々が棲む聖地として崇められ、熊野へ詣でることで来世の幸せを願う信仰が生まれました。平安時代の上皇や貴族の熊野御幸から始まり、多くの人々が厳しい道のりを越え、熊野を目指しました。

 もともと日本の観光のはじまりは「巡礼」の旅であり、熊野詣が起源ともいわれています。(よく江戸時代とかの「お伊勢参り」とか聞いたことがありますよね?)そして、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界遺産に登録され、今では国内外から多くの観光客が訪れているのです。

●紀伊路・大辺路・中辺路 熊野古道の3ルートが集う地

熊野古道ルート図(画像提供:和歌山県)

 熊野古道にはいくつかの路(道)がありますが、京都や大阪と熊野を結ぶ紀伊国の主要街道でもあった「紀伊路(きいじ)」。紀伊の海と山の美しい景観で文人墨客などにも愛された「大辺路(おおへち)」。そして平安時代から鎌倉時代に上皇や貴族が歩いた熊野の御幸道であった「中辺路(なかへち)」。この3つのルートが和歌山の田辺(みなべの近く)にて集うのです。まさに聖地!